2025年4月22日11時32分

ワールドミッションレポート(4月22日):エチオピア 「神はあなたを愛している」一人のオロモ人を永遠に変えた言葉

執筆者 : 石野博

オロモ族は、エチオピア最大の民族で、彼らはおよそ3500万人いる。イスラム教徒とキリスト教徒が大半で、伝統的な土着宗教も根付いている。彼らはオロモ語を話し、農業や牧畜を営む。音楽や舞踊を通じて彼らの文化は表現され、共同体の結束を強めているが、イスラムのオロモ族がキリスト教徒に改宗する場合、厳しい圧力や迫害を受けることが珍しくない。

そのようなオロモ族だが、アハメドはつい最近、イエスを主として信じ、信仰の歩みを始めた。彼は大都市から遠く離れた小さな村に住んでいる。彼の異母兄弟は海外に住んでいて、毎年家族に会うために帰省する。この兄はいつもイエスの話を家族に聞かせていたのだ。長い間、アハメドはイエスの話にほとんど興味を示さなかったが、それでも彼は辛抱強く異母兄の話に耳を傾け続けた。

ところが「神はあなたを愛している!」この一言がはっきりとアハメドの心に刺さった。これがきっかけとなり、アハメドはスマートフォンで新約聖書を読み始めた。すぐに彼はもっと知りたくなった。

村にはイエスの信者がいなかったため、アハメドは街へ出かけた。そこで彼はある牧師に出会った。牧師はアハメドに時間を割いて関わってくれたのだ。長い年月を経て、ついにアハメドはイエスに人生を委ね、洗礼を受けたのである。

ところが、彼の人生は楽になるどころか、むしろ困難を極めた。モスクに通わなくなったことが知れ渡ると、村の長老たちから尋問を受けたのだ。友人たちでさえ、彼を不信仰者と見なし、もはや彼と一緒にいようとはしなかった。イエスを信じる多くのオロモ人は、アハメドと同じような痛みと疎外感を感じている。

アハメドのような、イスラムからの改宗者の守りのために祈ろう。にもかかわらず、エチオピアのオロモ族の間で、力強く救われる者が起こされるように祈っていただきたい。

■ エチオピアの宗教人口
プロテスタント 19・2%
正教会 39・5%
カトリック 0・7%
イスラム 34・1%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。