2025年4月10日18時30分

ワールドミッションレポート(4月10日):カナダ ギャングだった男、刑務所でイエスと出会う

執筆者 : 石野博

トロントのギャングメンバーとして活動し、車の窃盗を繰り返していたのがデイビッド・リンだ。彼がキリストに出会ったのは、刑務所の中でのことだった。そのきっかけとなったのは、なんとイラン出身のムスリムの囚人仲間だった。彼が渡してくれたギデオン協会の新約聖書がデイビッドを導いたのだ。

白人が多数を占める学校で少数派として育ったデイビッドだったが、彼は仲間意識と自己防衛のために、ギャングの道へと進んだのだ。犯罪に手を染めていった人生であったが、彼は刑務所の中で立ち止まり、自分自身を見つめ直す時間が与えられた。ギデオン協会の新約聖書を見ると、デイビッドは、母親から「聖書を読みなさい」と言われていたことを思い出し、すぐに聖書を読み始めた。するとその言葉が心に深く突き刺さり、デイビッドは、人生をイエスに委ねる決心をしたのである。

出所後、彼は高校や街中で自らの証しを語り始め、大胆な伝道活動を展開していった。物議を醸すことや反対もあったが、それでもデイビッドは伝道を続け、新しい信者を導いた。時には警察の保護の下で洗礼を執り行うこともあったのだ。

現在、彼は「キリストの赦(ゆる)しミニストリー」の代表を務めており、北米と英国で20以上の教会を指導している。その全ては、一つの変えられた人生と、一つの新約聖書がもたらした奇跡から始まったのだ。

主イエスは言われた。「医者を必要とするのは、健康な人ではなく病人です。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招いて悔い改めさせるためです」(ルカ5章31、32節)

元ギャングメンバーであったデイビッドは「自分は病人であり、私の問題を解決することのできる真の医者が必要だ」という自覚があっただろう。塀の外にいて罪の自覚なく過ごすよりは、たとえ塀の中でも、苛まれるような罪意識を持って過ごす方が勝るのだ。その者は、深い渇きをもって罪の赦しの福音にすがるのである。カナダの救霊のために祈っていただきたい。

■ カナダの宗教人口
プロテスタント 10・1%
カトリック 40・1%
イスラム 2・9%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。