2025年3月30日20時34分

ワールドミッションレポート(3月30日):北マケドニア 種まきと弟子化を続ける宣教のバン

執筆者 : 石野博

ドラガンとビリャナ夫妻は、イエスを信じる者として、自国で福音を伝えることに情熱を持っている2人だ。彼らは北マケドニアに住み、そこで活動している。北マケドニアは、福島県と同程度の大きさの小さな内陸国で、アルバニア、ブルガリア、ギリシャ、コソボ、セルビアと国境を接している。

ドラガン夫妻は、イエスを伝えたいという思いから、弟子訓練のプログラムを修了した。ここ数年は、レセンという町で地元の信者の集まりを育てることに力を注ぐとともに、近隣の村々を訪れ、イエスの愛を伝えているのだ。

北マケドニアでは、人口の半数以上がイエスの名前を聞いたことはあるが、イエスを信じる者は全体の約14%に過ぎない。聖書的な福音派の信者になると、さらに絞られ、わずか0・1%にとどまる。

しかし、そのような状況でも、福音を求める人々の手応えは確かに感じているという。主イエスは言われた。「実りは多いが、働き手が少ない。だから、収穫の主に、収穫のために働き手を送ってくださるように祈りなさい」(ルカ10:2)と。

「私たちの夢は、もっと多くの人に福音を届けるためにバンを購入することでした」とドラガンは言う。「そして最近、バンを購入し、それを改装して小さなライブラリとカフェにしたのです!」

「今では村々を訪れるときに、人々にコーヒーを振る舞っています。また、聖書の学びのリソースや聖書そのものを提供しています。私たちのことを知ってもらううちに『また来て、聖書の学びをしてくれませんか?』と言われることもあります」とビリャナが加えた。

ドラガンとビリャナが再び村を訪れるときには、さらにさまざまな方法でイエスを伝えている。聖書の物語を基にした劇を演じたり、路傍で人々に向かってメッセージを語ったり、家庭を訪問して、より深い聖書の学びや祈りの時間を持つこともしている。バンでの移動時には、レセンの信者(特に若者たち)も同行させているという。

「私たちは、現場で福音の伝え方を学べる機会を提供しているのです。私たちの伝道の旅と、イエスについて聞いた人々のために祈ってください。その中には、生まれて初めて福音を聞く人もいるのですから」とドラガンは語る。

最近欧州では、バンを改装して伝道ツールとして使う信者が多く見られる。彼らが若者たちを同行させて弟子化をしつつ、福音の種がまかれていることには、大きな励ましを受ける。未来を担う若者たちの弟子化のために、まかれた種が豊かに実を結ぶように祈っていただきたい。

■ 北マケドニアの宗教人口
正教 64・1%
プロテスタント 0・3%
カトリック 1・0%
英国教会 0・01%
無神論 3・5%
イスラム 31・0%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。