2025年3月24日19時21分

ワールドミッションレポート(3月24日):スペイン 死の影の民に輝く光

執筆者 : 石野博

「闇の中を歩んでいた民は大きな光を見る。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が輝く」(イザヤ書9章2節)。この御言葉がピタリと当てはまる、ある家族の証しを紹介したい。

ブルガリア人のタチアナとその家族は、より良い生活を求めて母国を離れ、スペインに移住したのだった。彼女はスペインに移住後、3人の娘を設けた。ところが、次女のエレナが生まれると、彼女は脊椎湾曲症を患っていることが分かった。医師たちは、エレナの症状を改善する糸口さえ見つからず、もはや治療法を探すことを諦めかけていたのだ。

タチアナは、エレナを自分の両親に預け、エレナの治療費を稼ぐために売春という手段に頼らざるを得なかったのだ。そして10年の歳月が流れ、タチアナの両親は、法的にエレナを養子縁組し、エレナと共に母国ブルガリアに帰国した。一方、タチアナと他の子どもたちはスペインに残った。

ブルガリアに戻ったタチアナの両親は、自分が母国を離れていた間に、家族の何人かがイエス・キリストを信じるキリスト者になっていたことに気付いた。そして彼らは家族に誘われ、牧師のマリンが指導する聖書勉強会に参加し始めたのだ。そこで彼らは、イエスが彼らのために成し遂げてくださった救いの良い知らせについて聞き、学んだのであった。そして彼らは、教会の兄弟姉妹と共に、エレナの癒やしを祈り始めたのだ。

すると、あれほどまでに医師もさじを投げるほどのエレナの難病だったが、次第にエレナは、脊椎コルセットを着用する頻度が減っていったのだ。神はエレナと彼女の祖父母の心にも働きかけ、間もなく彼らは、イエスを主であり救い主として受け入れた。そして3人が共に洗礼を受けたのである。

「私はちょうどエレナの洗礼式に立ち会うためにブルガリアに戻ることができました」と、エレナの母タチアナは語る。彼女は続けて「マリン牧師の説教と教えを通して、私は自分が今まで送ってきた生活を捨て、神に立ち帰る必要があることに気が付きました」と告白したのだ。

キリストにあっては、どんな人生の暗闇や死の影さえも、照らせないものはない。悲しみのあるところを、喜びの湧く泉に変えることのできる方に賛美をささげよう! このような証しが多くの人々に届き、スペインやブルガリアのみならず、多くの地域に大いなる救霊がもたらされるように祈っていただきたい。

■ スペインの宗教人口
カトリック 77・8%
プロテスタント 1・8%
英国教会 0・2%
イスラム 2・4%
無神論 19・5%
ユダヤ教 0・7%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。