2025年3月23日21時49分

ワールドミッションレポート(3月23日):パキスタンとアフガニスタンにまたがって住むパシュトゥーン人のために祈ろう

執筆者 : 石野博

パシュトゥーン人(パシュトゥーン人あるいはパサン人とも呼ばれる)は、パキスタンとアフガニスタンに暮らす6千万人規模の民族集団だ。中東各地で出稼ぎ労働者として働く者も多くいる。彼らは戦士としての気質とロマンティックな側面を併せ持ち、名誉を重んじる一方で、音楽や詩、花を好むのである。

言語と文化の差異から、パキスタンとアフガニスタンのパシュトゥーン人は区別され、さらには部族間でも区別されている。しかし、全てのパシュトゥーン人が共有するのは、スンニ派イスラムの信仰とパシュトゥーンワーリー(行動規範)の厳格な遵守だ。この宗教的純潔への強い意識が、キリスト教を含む他宗教との明確な境界線を形成している。

現在、ごく少数ながらキリストに従うパシュトゥーン人信徒が存在している。彼らのうちには、聖書を母語であるパシュトー語の主要4方言に翻訳する者があり、印刷物やデジタル媒体(音声・動画)で、御言葉を広める活動に取り組む者たちがいる。

パキスタンでは2019年にパシュトー語聖書が完成し、アフガニスタンでは2023年に新約聖書が完成した。スマートフォンやPCがあれば、専用アプリで各方言の聖書にアクセスできるのだ。詩を愛する民族性から、特に詩篇と箴言が親しまれている。

宗教過激主義の影響で、キリスト信者は直接対面の集会が困難だ。そこで、オンライン聖書研究が神の言葉に触れる重要な手段となっているのである。最近のオンライン集会では、ある男性改宗者が「イスラム教を信仰していたとき、善行や断食によって天国への道が開かれると信じていましたが、今では聖書の教えに心が開かれ、恵みと信仰によって救われていることが分かると、平安に満たされます」と語るなど、この新しい信仰に、聖書的な理解が生まれつつあるという。

対面の集会が制限され、孤立している信者が、聖霊を通して慰めと導きを得られるように祈ろう。またパシュトー語各方言への聖書翻訳と普及が進み、多くのパシュトゥーン人が主イエスを信じるようになるよう祈っていただきたい。

■ パキスタンの宗教人口
イスラム 95・8%
プロテスタント 1・8%
カトリック 0・8%
ヒンズー 1・8%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。