2025年3月3日16時48分

ワールドミッションレポート(3月3日):西アフリカのトゥアレグ族のために祈ろう

執筆者 : 石野博

トゥアレグ族は、西アフリカのニジェール、マリ、リビア、アルジェリアなどの国々にまたがって遊牧生活を営む遊牧民だ。彼らの多くはイスラム教を信仰している。

リーは、トゥアレグ族の中で育った典型的な若者だ。彼は家族の家畜や農場の世話を任されていたため、学校に通う機会がなかった。いつか読み方を学びたいというのが彼の夢だったのだ。

ある夕方、タマネギ畑での仕事を終え、最も近い町にやって来た。そこで彼は、福音宣教の奉仕者が本やトラクトを販売しているのを見つけた。彼は幾つかの本を購入してこう言った。「これが読めたらいいのに」と。そこで宣教者はリーに尋ねた。「読めない本のためにお金を使ったのかい?」

リーは答えた。「それがまさに僕の次の質問なんです。よかったら、僕が読み方を学ぶことができるように手伝ってくれませんか。それは私の一生の夢なのです」

彼らは一緒に数カ月をかけ、トゥアレグの言語の一つであるタマシャク語で書かれた教材を使って読み方を学んだ。彼らは単語から始め、次に文へと進み、最終的には動物の物語の本に進んだ。リーの読解力が強くなるにつれて、彼らは創世記の最初の12章を読み進めた。そして創世記から、ルカの福音書全体を読み進めたのだ。

ある夕方、リーは友人となった宣教者にこう言った。「あなたに伝えたいことがあります。私はあなたのようにイエスに従うことに決めました」

宣教者は励まされ、驚きながら答えた。「では、リー、君にとってのイエスとは一体誰なんだい?」彼の答えは忘れられないものだった。

リーは言った。「アブラハムが息子のイサクを犠牲にするように求められましたが、最後の瞬間に天使がアブラハムを止め、イサクの代わりに茂みの中に雄羊がいたことを覚えていますか。ルカの福音書を読んでいるうちに、イエスは私の雄羊だと分かったのです!」

ハレルヤ! 誇り高きトゥアレグの若者がまた一人、主を信じて永遠の命の書に名前が登録された。しかも、彼は念願かなって自分で字を読み、開いた聖書を通して導かれたのだ。

トゥアレグの人々が、悔い改めの必要とキリストにある自由の喜びを主にあって受け取れるように祈ろう。トゥアレグ族の救いのために祈っていただきたい。

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。