2025年2月23日13時52分

ワールドミッションレポート(2月23日):ポーランド 険しい地を平らに(1)

執筆者 : 石野博

すべての谷は埋め立てられ、すべての山や丘は低くなる。盛り上がった地は平地に、険しい地は平野となる。(イザヤ書40章4節)

パベル(本名は伏せてある)は、ポーランドの刑務所内で福音を聞く1200人以上の受刑者の一人だ。ヨハンは18年以上にわたってこの宣教活動を忠実に続けてきた。刑務所当局は、多くの受刑者の人生に変化が見られることからヨハンの活動を好ましく思っており、宣教の継続を許可している。そしてこのパベルは、ヨハンが導いて刑務所でイエスに出会った受刑者の一人なのだ。

パベルは平凡な子ども時代を過ごした。学校に通い、友達とサッカーをし、家族と一緒に教会にも通った。「成長するにつれて、私は神から遠ざかっていきました。私は、高校を卒業してすぐに働き始めました。そして、ある女性と出会い、交際を始めたのです」とパベルは言う。

数カ月一緒に過ごした後、パベルはこの女性が他の男性と付き合っていることを知った。彼はとても動揺し、ウォッカと一緒に向精神薬を一握り飲んだのだ。「ええ、そうです。私はこの世を去るつもりでした」と彼は振り返る。「しかし、神は私に別の計画を用意しておられたのです。神の視点では、私の人生はそんなふうに終わるものではなかったのです」

パベルは4日間も意識不明の状態で横たわっていたが、ちょうど古い友人が家を訪ねてきて、意識不明の彼を見つけてくれたのだ。友人はすぐに彼を病院に連れて行き、治療を受けさせ、パベルは一命を取り留めたのである。

「入院中、ヨハンという男性に会いました。彼は、つらい日々に神の言葉を読むようにと私に勧めてくれました。彼は私に聖書を貸してくれたので、私は入院中ずっと聖書を読み続けました。その時、私は信仰に目覚めたのです。もし私にもう一度命を与えたのが神であるなら、私の人生には計画があるに違いありません」

パベルは、退院後も聖書を読み続けた。読んでいると勇気と平安が湧いてくるのが分かった。彼は再び働き始め、ある女性と出会い、交際を始めた。彼女にはすでに2人の子どもがおり、2人の間には、新たに娘が与えられたのだった。(続く)

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■ ポーランドの宗教人口
カトリック 85・7%
プロテスタント 0・6%
正教会関係 1・5%
無神論者 10・1%
ユダヤ教 0・01%
イスラム 0・1%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。