2025年2月3日14時14分

ワールドミッションレポート(2月3日):アフガニスタン それでも成長を続ける教会

執筆者 : 石野博

アフガニスタンでキリスト教徒であることは、極めて現実的な命の危険と背中合わせに日常生活を送ることを意味する。信仰に関することは全て、タリバンの構成員に隠しておかなければならず、発見されれば投獄または死刑になるだろう。それにもかかわらず、アフガニスタンの教会は、世界で最も急速に成長している教会の一つなのである。

アフガニスタンのキリスト教の特徴は、福音が共同体に根付き始めると、それが力強く増殖していくことにある。しかし、アフガニスタンは依然として世界で最も宣教活動が難しく危険な場所の一つだ。この国の傷ついた政治的足跡、不安定な経済、そしてタリバンによる現在の統治は一層状況を困難にしている。宣教活動の難しさという点では、アフガニスタンは、あの最悪な北朝鮮に決して負けていない。タリバンはキリスト教徒に対する暴力的かつ無慈悲な扱いでよく知られている。

タリバンは、イスラム教からの改宗者を定期的に探し出している。一人のキリスト教徒の居場所を突きとめると、その地域にはたいてい他にも大勢のキリスト教徒がいるということを知っているのだ。タリバンの摘発活動は信じられないほど予測困難だ。それに西側諸国に対する憎悪が加わって、あらゆる面で状況を難しくしている。

それにもかかわらず、アフガニスタンの信者たちは、聖書とキリストの教えに渇いており、そのために大きなリスクを冒すことをいとわない。迫害に対する彼らの強靭(きょうじん)さは、初期の教会をほうふつとさせるという。

ある関係者は言う。「信仰を分かち合えば迫害を受けることを分かっていても、彼らの中には力強い弾力性、勇気、大胆さがあります。私たちがアフガニスタンの教会で目にしているものとは、聖書に登場する初代教会が持っていたそのような資質なのです」

アフガニスタンの教会には、実際的な援助に加え、リーダーの霊的な訓練と備えが最も必要なことだという。その場合、国外に避難した信者と協力しながら、国内にいる信者たちを支援するのだ。

伝道のために、インターネットは強力なツールとして効果的に使われている。これらのアフガニスタンの教会は、近隣諸国に拠点を確立することに取り組んでいる。最終的には、アフガニスタンから離散した信者たちが祖国に戻って、彼らがよく知っている郷土で福音を広めることができるようになるのだ。

「彼らは、一度イエスに出会うと、命の危険を冒しても、何とかこのイエスを伝えようとします」と前述の関係者は言う。アフガニスタンのために祈ろう。教会が信仰、規模、成熟において成長し続け、霊的指導者たちの訓練と教育が進むように。伝道を通して人々の手に渡った聖書が肥沃な土壌に落ち、霊的な大収穫がもたらされるように祈っていただきたい。

■ アフガニスタンの宗教人口
イスラム 99・85%
クリスチャン 0・05%
ヒンズー 0・01%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。