2025年1月29日11時57分

ワールドミッションレポート(1月29日):ミッションとしてのビジネス(6)

執筆者 : 石野博

インドネシアのあるイスラム教徒の村が、ビジネス・アズ・ミッション(BAM)の実業家チームを通してどのように変容したのか、以下はビジネスコンサルタントのマッツ・トゥネハグ氏による説明の続きだ。(第1回から読む)

*

キリスト者の実業家チームは、環境に優しい方法でネズミを退治する方法を研究しました。また、農業生産量を増やし、収益性の高いビジネスを始める方法も研究しました。

その結果、ネズミを食べるが繁殖が非常に難しいフクロウ、ティト・アルバ(メンフクロウ)を見つけたのです。つまりフクロウを繁殖させてネズミを駆除するわけです。不可能だと言う人もいました。しかし、彼らは祈り、研究を重ね、そしてついに成功したのです。私が訪れたとき、畑のあちこちに巣箱を見ることができました。それ以来、農作物の損失は年間40%から2%に激減し、新しい井戸とかんがいの効果も手伝って、米の年間収穫量は倍増したのです。

私は村長に、ビジネスマンが来る前に、どうして井戸を掘ったりかんがいの作業に着手しなかったのかと尋ねました。彼は、キリスト者たちが仕事とその協力に関する彼らの考え方を変え、何よりもまず祈ることの大切さを教え、常に祈ってから仕事を始めるようにしたのだと言ったのです。「今、私たちは変化を受け入れ、行動を起こしています。しかし、私たちは常に祈りから始めるのです」と村長は語りました。

私のインドネシア人の実業家仲間たちは、聖書の原則に基づいたビジネストレーニングコースをこの村で始めました。彼らはまた、小規模な製造業を立ち上げ、マーケティングと販売を改善し、地元のインフラを強化する手助けをしてきたのです。

人口2320人のこの小さな村は、今やインドネシアのモデル村となったのです。国営テレビはこの村を、イスラム教徒とキリスト教徒の架け橋となるモデルとして、また変革型ビジネスの発展モデルとして紹介しています。この村はまた、ネズミを退治するフクロウの繁殖方法に関する全国的な学習センターにもなっているのです。

私の訪問中、雨、舗装道路、仕事、オートバイなど、具体的な祈りが具体的な答えにつながったという証しを聞きました。彼らは本当に祈りを大切にしています。神はそのような純粋な心に応えてくれるのですね。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。