2025年1月17日09時47分

ワールドミッションレポート(1月17日):ブルガリア ロマ共同体に注がれた驚くばかりの恵み

執筆者 : 石野博

ソフィアのリスト・ボテフ地区にある「アメイジング・グレイス教会」は、ブルガリアの疎外されたロマ共同体に変革をもたらしている。

この教会はトニーとインナ・チェンコフ夫妻によって設立された。彼らの信仰はその行動によって立証され、長い間見過ごされてきた共同体に希望の光を投じている。もともと牧師になるつもりはなかったトニーだが、彼は神の召命を受けて人生が変えられた。

「神の声が聞こえました。『トニー、私の民に背を向けるのをやめなさい』と。その声を無視することはできませんでした」と彼は語る。その時以来、トニーとインナは新たな信者を信仰と愛に迎え入れ、霊的な家族を築くことに身をささげているのである。

彼らはウィクリフ協会と協力し、ロマの子どもたちに「バイブルボックス」を配布した。このボックスには、イェルリ語の聖書、ぬり絵、学習教材が含まれている。また、2年間のプロジェクトを経て、新約聖書をイェルリ語に翻訳したのだ。

「彼らが、心に響く母国語で聖書を読むことができなければ、それが与える慰めや希望をどうやって知るのでしょうか」と、ウィクリフのマーク・ロバーツ氏は問いかける。チェンコフ夫妻は、新たな信者で満たされていく教会の成長を喜んでいる。

「新しい人が加わるたびに、私たちの家族の一員となるのです」とインナは言う。「私たちは、神の驚くべき恵みによって一つにされた大きな家族です」と。

差別の対象となるロマ人たちに神の愛を届ける尊い働きは、今も続いている。彼らの働きがより豊かな結実に至るよう祈っていただきたい。

■ ブルガリアの宗教人口
正教徒関係 78・56%
プロテスタント 2・28%
カトリック 0・99%
イスラム 12・1%
ユダヤ教 0・04%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。