2024年12月9日11時53分

ワールドミッションレポート(12月9日):ルワンダ 教会閉鎖がキリスト教徒を地下活動へと追い込む

執筆者 : 石野博

ルワンダ政府は、新しい規制に従わないとして、5千以上の教会を閉鎖した。その結果、多くの信者たちは秘密裏に礼拝を守らざるを得ない状況に追い込まれている。

「政府が私たちの礼拝の自由を否定していることに衝撃を受けています」。そう語るのは、閉鎖されたペンテコステ派教会の信者の女性だ。逮捕を恐れた彼女や他の信者たちは、通常の活気に満ちた信仰表現とは対照的に、今では静かに礼拝を守っている。信者たちは、独裁政治であるとして、ポール・カガメ大統領を非難している。

一方で政府は、教会が一定の基準を満たす必要があると定めた2018年の法律を理由に挙げている。その基準には、適切なインフラ整備、消防設備、防音対策、そして神学の学位を持つ訓練された指導者などが含まれている。また、カガメ大統領は貧しいルワンダ人を搾取する「乱立する教会」に懸念を表明し、一部の牧師が宗教を利用して私腹を肥やしていると主張している。

しかし、多くのペンテコステ派教会にとって、これらの要求を短期間で満たすことは不可能だ。ルワンダ・ペンテコステ派教会連盟の長老は、牧師に神学の学位を求めるのは不合理だと主張している。「人を神の働きに召されるのは神ご自身であり、決して教育の水準ではありません」と述べた。一方で、ルワンダ福音自由教会のエスロン・マニラガバ氏のように、会衆を保護するためには必要な措置だとして、政府の取り組みを支持するキリスト教指導者もいる。

キリスト教徒が大多数を占めるルワンダには、2019年時点で約1万5千の教会が存在していたが、そのうち法的に登録されていたのはわずか700に過ぎなかった。政府の措置を受けて、多くの教会が非公認に地下教会活動に移行している。信者たちは現在、少人数で家に集まり、当局に見つからないように、静かに礼拝を守っているのである。

ルワンダで、信教の自由を阻害する懸念ある事態が起きている。彼らの守りと福音宣教が前進するように祈っていただきたい。

■ ルワンダの宗教人口
プロテスタント 24・7%
単立 1・5%
聖公会 1・7%
カトリック 45・3%
他諸派 8・0%
イスラム 5・2%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。