2024年12月4日10時32分

ワールドミッションレポート(12月4日):ベトナム アヘン依存から前進する共同体へ

執筆者 : 石野博

ベトナムのライチャウ省の中心部にあるシンスイホ村は、驚くべき変革を遂げた。かつてこの村は、村人のほとんどがアヘンに依存しており、人々は貧困と絶望の中で暮らしていた。しかし今日では、このモン族の共同体は、深い霊的覚醒を経験して共存共栄の道を歩んでいるのである。

全ての始まりは、村の元議長であるハン・ア・ルンさんが、モン語の福音ラジオ放送を通じてキリスト教の信仰に出会ったことによる。ルンさん自身も薬物依存者だったが、彼はイエス・キリストの教えに希望を見いだしたのだ。彼の改宗は村全体の変革の始まりとなり、彼は家族や村人たちをキリストに導いた。

村人たちの信仰が変わったことによって、彼らのライフスタイルに劇的な変化が引き起こされた。かつては文盲でアヘンに依存していた多くの村人が、薬物を断ち、人生を変える決意をしたのである。彼らはアヘンの栽培をやめ、蘭や野菜を育て始めたのだ。それによって村の共同体と彼らの経済が大きく変わったのである。

時がたつにつれ、シンスイホはその美しい風景と繁栄する農業活動で知られるようになった。今では東南アジアの主要な観光地として認識されるまでになったのである。

ルンさんの息子であるハン・ア・シャ牧師は、父の遺産を受け継ぎ、霊的および実際的な面で共同体を導き続けている。週末には、彼が村人の靴を磨きながらイエスのメッセージを伝える姿が見られることだろう。またこの共同体は、放課後のプログラムを通じてシンスイホの子どもたちを弟子化する働きを支援するミニストリーと提携している。このプログラムでは、英語の授業や聖書的な価値観を提供しているのである。

福音は、人々をキリストとの個人的な関係に導き、新しく生まれさせる神の力だ。一方、この福音が広まることによって、地域が劇的に良い方向へと変えられる、なんともありがたい副産物がある。シンスイホ村のリバイバルは、まさにそれを立証する素晴らしい証しではないか。

これらの人々がなお宣教に励み、豊かな実を結ぶよう祈っていただきたい。

■ ベトナムの宗教人口
仏教 52・5%
プロテスタント 2・0%
カトリック 7・7%
無神論 23・3%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。