2024年11月21日11時07分

ワールドミッションレポート(11月21日):ウクライナ 戦闘地域であっても、神がご自身の教会を建て上げておられる

執筆者 : 石野博

ザポリージャ市は、長期にわたってロシア軍による頻繁なミサイル攻撃を受けている。過去1週間だけで、この東部の都市では少なくとも17人が死亡し、80人以上が負傷した。その中には子どもも含まれていた。

スラブ福音協会(SGA)のエリック・モック氏はこう語る。「この恐ろしい経験が、東ウクライナの人々にとって日常となっています。そのため、彼らの心は変わってしまったのです」

部分的に占領された地域に位置するザポリージャ市の市民たちは、子どもたちを守るための新しい方法を編み出している。「最近、ザポリージャ市の地下に小学校を建設するという発表がありました。ザポリージャ市はとても重要な都市ですが、米国に住む私たちには衝撃的でした。どうして地下に小学校を建設するのか? 実際、通常兵器にも核攻撃にも耐えられるように屋根を固めた小学校を作るなんて、いったいどうして・・・」とモック氏は語る。

「もし自分の都市が絶え間ない砲撃にさらされ、さらに、近くにロシアの支配下にある原子力発電所があるなら、それは理解できることかもしれませんね」。ザポリージャ原子力発電所は2022年3月に攻撃を受けている。

「人々の心理状態は、『戦争はすぐに終わるかもしれない。そのための適切な戦略を考え出す必要がある』という考え方から、『戦争のある日常、これが私たちの新しい日常かもしれない』という、諦めに近い考え方へと移行しています」とモック氏は述べている。

ロシアとウクライナの戦争は、19日で1000日目を迎えた。こうした状況の中、SGAはウクライナの現地信者たちと協力し、そして神の恵みに後押しされ、神の御国を前進させようとしている。「共に働く彼らに『人のすべての考えにまさる神の平安』(ピリピ4:7)があるように祈っていただけませんか」

「『平和のために祈りましょう』というのでは簡単過ぎます。もちろん私たちはそのように祈りますが、ヨハネ14:27は、神が私たちに与える平安は、必ずしも地上の問題を全て解決する平和ではないということを教えています」とモック氏は語る。「もしそうでないのならば、キリストの臨在と再臨の約束は、結局、何も変えないように思えてしまいます」

感謝すべきは、戦闘地域であっても、神がご自身の教会を建て上げておられることだ。現地の教会に平安が満ちあふれ、その平安を恐れることなく大胆に、誰にでも伝えられるように祈ろう。忠実な信者たちがさらに献身し、どのような状況にあっても大胆な証人となれるよう祈っていただきたい。

■ ウクライナの宗教人口
正教 61・2%
新教 5・8%
旧教 10・1%
イスラム 1・1%
ユダヤ教 0・2%
無神論 19・5%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。