2024年11月3日18時45分

ワールドミッションレポート(11月3日):中国 ある女性信者の力強い証し(2)

執筆者 : 石野博

慢性の持病の夫を持つフェンは、一向に良くならない夫の症状に、いつも不安を抱えていた(安全上の理由から、登場する人物の本名は変えてある)。そんな時、彼女は神々しい光や人の形をした者が自分を励まし、導く夢を2回見た。そして2回目の不思議な夢を見た3日後に、夫を診ていた看護師が、聖書を持って彼らの家を訪ねてきたのだ。そう、この看護師はクリスチャンだったのである。(第1回から読む)

「その本を見せていただけますか」と、フェンは看護師に尋ねた。フェンは聖書を手に取り、最初の章を開いた。

「初めに、神は天と地を創造された・・・」。その言葉は、フェンの心を引き付けた。彼女はそのまま一度に3章まで読んだ。それはまるで、神が彼女に語りかけているかのようだった。

この御言葉との出会いが、彼女をして、キリストを個人的な救い主として受け入れる決心をさせたのである。すると何と2週間後、あんなに四方手を尽くしても八方塞がりだったロンの病気が見る見るうちに癒やされ、回復し始めたのだ。イエスが彼を癒やしたことを知り、夫もまたキリストを受け入れたのである。

こうしてフェンとロンは、一緒に御言葉を学び始めた。そうして半年後、ロンの病は完全に癒やされたのである。

喜びに満ちて、彼らはロンの母にイエスを紹介した。この母は、福音を聞くとすぐにイエスを受け入れた。そして何と、奇跡的に彼女のリウマチが癒やされたのだ。そして、彼らは家族に福音を伝え始め、さらに多くの家族がキリストのもとに立ち返ったのである。

フェンのめいのアイハンも信者になったが、アイハンの義理の家族は彼女の信仰に強く反対した。彼らは信仰を捨てるか、さもなくば離婚するか、どちらかを選べと迫ったのだ。岐路に立たされたアイハンは、主イエスへの信仰を決して捨てなかった。そう、彼女は主イエスを選んだのである。

するとアイハンの夫の家族は「結納金」の返還を要求してきたのだ。この結納金は、花婿が花嫁の家族に金銭や物品を支払う中国の伝統的習慣である。この伝統によって、両者の結婚の意思が確認されるのである。

結納金の返還の要求に対して、アイハンはこれに同意した。しかし、義理の家族はそれでもまだ満足しなかった。彼らはアイハンとフェンとロンを含む、その家族全員を警察に通報したのだ。彼らは「元嫁の家族は、非公認の邪教を広め、布教活動をしているとんでもないやからだ!」と口汚くののしって、当局に密告したのである。(続く)

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■ 中国の宗教人口
プロテスタント 6・4%
カトリック 1・6%
無宗教 44・4%
儒教 28・5%
仏教 12・5%
イスラム 1・9%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。