2024年9月6日12時22分

ワールドミッションレポート(9月6日):アフガニスタンでイエスを信じることとは(1)

執筆者 : 石野博

カーダ(仮名)はアフガニスタンのどこにでも住んでいる女性の身なりをしている。都市部に住んでいるかもしれないし、地方の村に住んでいるかもしれない、それはありふれた格好だ。服装によって彼女を見分けることはできないだろう。なぜなら彼女は、できるだけ目立たないように、他のアフガン女性と同じような服を着ているからだ。

2021年の衝撃的なタリバンの復権は記憶に新しいが、今ではこのタリバンが、社会の半数を占める女性たちに厳格な服装規定を課している。そのため、アフガニスタンの女性の服装はさらに画一化しているのだ。カーダの宗教的振る舞いによっても、彼女を見分けることはできない。おそらく彼女は、できるだけ目立たないように、多くの多数派の女性たちと同じように行動しているからだ。

しかし彼女の振る舞いには、外見からは知ることができない何か違うものを感じ取れるかもしれない。カーダは、アフガニスタンに住むわずか数千人のキリスト教徒の一人であり、イエスを知ることで彼女の人生は変えられたのだ。

聖書を読むことで彼女は、神が自分を愛し、気にかけてくれていることを学び、それが彼女の未来に対する前向きな姿勢の理由となっている。彼女は隣人と平和に暮らすことを選び、困っている人を助け、思いやりと優しさを示し、寛大であろうと努めている。長年の戦争、紛争、貧困によってアフガニスタンの人々の希望が打ち砕かれ、社会のあらゆる領域で厳格なイスラム教が押し付けられている中、カーダが示す愛や優しさは、いちるの光となって、より一層明るく輝いている。

しかし、アフガニスタンの全てのキリスト教徒と同様に、彼女の物語は痛みで満たされている。しかし、神の御手とは往々にして、そのような痛みを通して働くものである。(続く)

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■ アフガニスタンの宗教人口
イスラム 99・85%
クリスチャン 0・05%
ヒンズー 0・01%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。