2024年9月3日10時50分

ワールドミッションレポート(9月3日):コロンビア 先住民族のための初の聖書翻訳が完成

執筆者 : 石野博

コロンビア聖書協会は、歴史的な節目となる、コロンビア初の先住民言語への聖書全訳の完成を発表した。ワユナイキ語訳は、コロンビアの2つの主要な先住民グループであるワユウ族とナサ族のコミュニティーに提供される。

聖書学者と先住民の翻訳者が参加した13年間にも及ぶプロジェクトにより、これらのコミュニティーは、母国語で霊的な糧にアクセスできるようになった。コロンビアの先住民の20%を占めるワユウ族にとって、この翻訳は文化保護と霊的成長への重要な一歩となる。

このプロジェクトは世界的な寄付によって賄われており、すでに1600部が配布され、年末までに1万部を提供する予定である。ワユウ族の共同体の一人であるラモン・ウリアナ・エピエユはこう語った。「この翻訳は、言語的発展と霊的関与の両方を前進させ、私たちの民族の前進を意味します」

コロンビア聖書協会のアレクサンダー・ゴメス代表は、次のように述べて、今回の翻訳聖書完成による、より大きな影響を強調した。「母国語で神の言葉を聞けるワユウの兄弟姉妹は、きっと神の愛を体験することになるでしょう」

この功績は、文化的尊重と霊的包摂の重要な働きであり、コロンビアの先住民族にとって新たな一章を刻むものである。聖書は言う。「私は、福音のために、苦しみを受け、犯罪者のようにつながれています。しかし、神のことばは、つながれてはいません」(2テモテ2:9)

使徒パウロは「神のことばは、つながれてはいない」と語った。そう、何人も神の言葉をつなぎとめることはできない。解き放たれた神の言葉は多くの言語に翻訳され、全ての人に届けられるべく、今も翻訳努力が重ねられているのだ。

コロンビアでは、また一つ未翻訳言語が消えたことになる。コロンビアの現地族にも滞りなく聖書が届くように祈っていただきたい。

■ コロンビアの宗教人口
カトリック 82・1%
プロテスタント 7・8%
英国教会 0・02%
土着の宗教 2・9%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。