2024年8月17日09時41分

ワールドミッションレポート(8月17日):アルバニア 「イスラム」の名を持つ少年が、いかにしてキリストに出会ったのか

執筆者 : 石野博

現在アルバニアでは、福音宣教の機会が広がっている。アルバニア人の約70%はイスラム教徒であり、無宗教者やカトリック教徒が少数派を形成している。

多くの人々がより大きな経済的機会を求めて国を去っており、他の豊かなイスラム諸国は、資金を投じてアルバニア人にイスラムの宗教的影響を与えようとしている。イスラムの強いアルバニアでしぶとく伝道を続けるミニストリーの安全のために祈りが必要だ。

アルバニア南部の人里離れた村で生まれたイスラム(少年の名前)は、貧しい家庭で父親の家畜の世話を手伝いながら育った。彼が8歳の時、家族はアルバニアの首都ティラナに移住した。

すると近所の子どもたちがイスラムをサマーキャンプに誘ったのだ。彼はこの誘いに二つ返事で応じた。新しい友達を作りたかったからだ。

「キャンプ初日は夢のようでした。たくさんの子どもたちがいて、新しい友達の中にいることがうれしかったんだ。でも本当に心に響いたのは、リーダーたちがいつも僕たちに示してくれた愛と思いやり、そして優しさでした。彼らはイエスについて教えてくれて、そしてイエスは子どもたちをとても愛しておられ、イエスの王国は子どもたちでいっぱいであることを教えてくれました」

それが、イスラムが彼の人生でイエスについて聞いた初めてのことだった。サマーキャンプが終わった後も、イスラムはティラナに住む他の子どもたちと集まり、イエスについてさらに聞き続けた。

それからちょうど2年後、イスラムの母親がイエスについてもっと知りたいと言い出した。地元の信者たちは彼女を聖書研究と祈り、そして礼拝のグループに迎え入れたのだ。

「神様が僕の人生に働いてくださって、本当に幸せです。僕は迷子でしたが、今は見いだされました。僕は塩であり光なんです! 僕は神の御言葉が大好きで、もっと深く学びたいし、ずっとこれを続けたいです!」

イスラムは目を輝かせてそう語った。概して福音は、若い時に聞いた方がより救いにつながりやすいといわれるが、このような若い子どもがいずれ成長し、今度は彼らが福音を提供する側として立ち上がるのだと思うと、期待に胸が躍るではないか。

アルバニアの少年に植えられた福音の種が、やがて大きな実を結ぶように祈ろう。日夜、福音の種をまき続けるアルバニアの兄姉たちのために祈っていただきたい。

■ アルバニアの宗教人口
イスラム 62・4%
プロテスタント 0・7%
カトリック 13・1%
無神論者 7・0%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。