2024年8月11日20時03分

ワールドミッションレポート(8月11日):オーストリア ブラジル出身のオペラ歌手、ウィーンで元イスラム教徒、元仏教徒、元無神論者からなる教会を設立(1)

執筆者 : 石野博

マリアは、デボーションをしているとき、ペルシャ人と福音を分かち合うようにという神の促しを感じた。しかし彼女は、ペルシャ人が何なのかすらも知らなかったので、この促しについて皆目見当もつかなかった。ところがマリアは、1週間もしないうちに答えを得た。

マリアはイランから来た少女に出会ったのだ。マリアが少女に「母国語は何?」と尋ねると、その少女は「ペルシャ語です」と答えた。これを聞いたマリアはハッとして、この出会いを導いたのは神だと確信した。それで少女をバイブルスタディーに誘ったのだ。

この時マリアは、新しい教会を始めるなどとは夢にも思わなかった。彼女はただ神に従っただけだったのだ。しかし彼女たちの聖書研究会には次第にイランやアフガニスタンの元イスラム教徒が加わるようになり、ベトナムの元仏教徒が加わるようになり、そしてオーストリアの元無神論者なども混在するようになった。

この学びを通して、イランの少女は信仰告白に導かれ、救われたのだ。少女は自分の信仰を他の人に伝え始めた。そのようにして彼女は、聖書研究会に多くの人々を連れてきた。これはまさに自然発生的だった。

「マリアはいつも主に仕えたいという願いを持っていました」。そう言うのは、マリアを支援している宣教団体IMBのロジャー・ハーツィルだ。マリアは十数年以上前にブラジルからウィーンに来た。彼女は神学校の学位と音楽の学位を取得し、ウィーンでオペラを学ぶ奨学金を得ていたのである。学業を終えた後、彼女はウィーンに定住し、オーストリア人と結婚してキャリアをスタートさせた。

イランから来たペルシャ人の少女との聖書の学びは、2014年に彼女の家で始まった。その年の終わりまでに、2人のイラン人、2人のベトナム人、1人のオーストリア人が洗礼を受けて信者となった。15年の春までに12人の新しい改宗者(そのほとんどがイランからの移住者)がそれに加わったのだ。(続く)

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■ オーストリアの宗教人口
カトリック 64・5%
プロテスタント 4・5%
無神論 11・5%
イスラム 5・5%
ユダヤ教 0・1%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。