2024年8月2日16時57分

ワールドミッションレポート(8月2日):イラン 難民キャンプから、人生の転機へ(3)

執筆者 : 石野博

肝臓が奇跡的に治癒した少年は、死を願っても死ねないことに対して神に怒り、自暴自棄になって悪業の限りを尽くした。それで彼は逃げるようにして欧州に渡り、難民キャンプに受け入れられた。そしてなんと、彼の隣人モルテザは、人生が変えられたクリスチャンだったのだ。(第1回から読む)

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モルテザの家に招かれ、キリストがどのように彼の人生を変えてしまったのかを聞いた私は、思わず「このキリストなら、私の人生も変えることができますか? このようなどうしようもない苦しみや醜悪な自分から、キリストは私を解放してくれるのでしょうか?」と乗り出して尋ねました。

モルテザは「キリストは、君なんかよりもっと悪い人たちも変えてきたんだよ? 君を変えるなんて朝飯前だね」と答え、思わず2人で大笑いしたのです。そして一瞬の沈黙の後、彼が言いました。「君はただキリストを君の心に招き入れるだけでいいから」

その瞬間、私はひざまずいて頭を下げ、こう叫びました。「神様、助けてください!」モルテザは「私と一緒に祈り、キリストに心を委ねるんだよ」と言いました。私はモルテザと共に祈り、キリストに心を委ねました。祈っているうちに、目から涙がこぼれ落ち、そのたびに心が軽く、明るく穏やかになり、気分が良くなっていくのを感じました。

翌朝、私が見る世界は全く変わってしまったのです。私は会う人会う人、誰にでもほほ笑みかけ、人を助け、そんなことをしているとうれしくて仕方がなかったのです。私は自分の行動に驚きました。周りの人たちも、誰もが私の変化に気が付きました。そんなことがあって間もなく、その国での居住許可が下りたのです。これもキリストの奇跡的な恵みだとすぐに分かりました。

キリストが私の人生に働きかけ、私を救ってくださったのは、私がキリストのためにもっと大きな一歩を踏み出すためだと知っています。キリストは私に、傷つき苦しむ人々を助けるように求めておられるのです。だから私はこう祈りました。「主イエスよ、失われた魂を救うために私を用い、私がそのことのために備えることができるように助けてください」

そう祈った2日後、私は奇跡的に福音放送ミニストリーが運営する弟子訓練プログラムに出会い、そのメンバーとなりました。私はこれによってどれほど変えられ、備えられたことでしょう!

今日、私はその福音放送局の伝道部門の専任者の一人なのです。かつては街の荒くれ者やならず者の中にいて、罪の生活を送り、毎日自殺を考えていた人間が、今ではキリストによって変えられ、失われた人を探し求め、彼らと福音を分かち合い、彼らを救おうとする人間に変えられたのです。この恵みを、ただただありがたく、そしてうれしく誇りに思うのです。

今日に至るまで、メッセージと証しを通して、私は何十人もの人々を救うことに貢献してきました。これらの人々の多くは、弟子訓練にも積極的に関わっています。

主イエス・キリストに賛美と栄光あれ!

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急激にイエスの信者が増えてリバイバルが継続中のイランだが、このような証しが星の数ほどあるのだろう。イランの宣教拡大のために祈ろう。また、この証しでもそうだったが、中東からの多くの難民たちが、欧州の難民キャンプで続々と救われている。

イラン本国と同様に、難民として行った先でも人々が救われるように祈っていただきたい。

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■ イランの宗教人口
イスラム 37・2%
キリスト教 1・5%
無宗教 22・2%
ユダヤ教 0・02%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。