2024年7月10日08時54分

ワールドミッションレポート(7月10日):西アフリカ某国 欠けのある者を大伝道者に仕立てる神(2)

執筆者 : 石野博

(※安全のため、登場する人物の名前や地名は架空のものに変えてあります。)

ジョセフ牧師は、確信に立つファイザの説得を諦めた。教会はファイザのために祈り、イスラム教と悪魔の所業のような毒にまみれた悪が混在する場所ジュムヴルに彼女を派遣した。教会がファイザを送り出すとき、何人かの人々は涙を流していた。人々は彼女の宣教地が危険に満ちていることを知っているので、もはや二度と彼女に会うことはないものと思っていたからだ。(第1回から読む)

ところが、新しい宣教地に着くと、ファイザは2週間もしないうちに新しい市場で自分の居場所を見つけた。彼女は早くも友人を作り、パーム油を売り、その土地の平安の子(ルカ10:6)を探し始めた。そしてさらに2週間が過ぎる前に、ファイザはその平安の子を見つけ、10人の人々と聖書研究会を始めたのだ。それから3カ月以内に、ファイザのグループは小さな教会になった。そして半年後には成長する3つの教会になり、さらに聖書研究会が行われるようになったのだ。

この時ファイザは、神が自分を遣わした使命をやり遂げたことを知った。同時にそれは、彼女がさらに別の困難な場所に遣わされる時が来たことを意味したのである。

ジョセフ牧師は、ファイザの勇気ある従順によって築かれたこの奇跡的な働きをサポートするために、フォローアップチームを送った。そして今日、その地域には25の教会があり、オカルト的な悪霊宗教と混合したイスラムとの間の闇の協力関係は断ち切られ、これが公に暴露されたのだ。それによって、その秘密宗教的なオカルトは非合法化されたのである。今では、ジュムヴルで働くことを恐れていた他のミニストリーもこの活動に加わり、福音のメッセージはさらに急速に広まっている。

ジョセフ牧師は、弟子訓練や指導者育成のあらゆるレベルで、文字を読めない人々を歓迎し、受け入れるべきだと悟った。今日、そのミニストリー全体を通して千以上の教会で起こっている劇的な成長において、文字を読めない人々が担っているものが決して少なくないのだ。(続く)

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。