2024年7月6日07時24分

ワールドミッションレポート(7月6日):太平洋諸島の90%はキリスト教徒

執筆者 : 石野博

キリスト教の海外宣教師は、太平洋諸島、オーストラリア、パプアニューギニア、ニュージーランドを含む地域であるオセアニアで、他のどの地域よりも成功を収めた。現在、驚くべきことに太平洋諸島の人口90%がキリスト教徒であると認識されている。これはどのようにして実現したのだろう。

この地域におけるキリスト教の拡大を研究しているジャクリーン・ライルは、島民がすでに神の存在と死後の世界を信じていたため、福音に対して心が開かれていたと述べている。もともと彼らが持っていたこれらの信念が、キリスト教の教えを受け入れるのを容易にしたのだ。トンガでは、現地の文化の犠牲に関する物語がイエスについての物語と結び付けられ、キリスト教のメッセージをより理解しやすく、意味のあるものにした。

オーストラリアに住むトンガ出身の神学者、カタリナ・タハアフェ・ウィリアムズは、太平洋におけるキリスト教の成長は、西洋人の宣教師の功労だけに帰されるのではなく、先住民の宣教師のおかげでもあることを発見した。彼らは地元の人々にとって理解しやすい方法で福音を説明した。

例えば、プロテスタントの宣教師たちは1700年代から1800年代にかけて非常に成功した。タヒチでは現地人の人々を訓練し、彼らが他の島々に福音を広めるのを助けた。彼らは同じ人種の同じ土地出身の宣教師であったため、現地の人々から信頼され、尊敬された。それで成功的な宣教を助けたのである。

キリスト教を島々に導入することには幾つかの課題も伴った。ある場合には、個人主義よりも共同体を重視する島民の生活様式に、新たに紹介されたキリスト教的な考え方がうまく合わないこともあった。これらの課題にもかかわらず、キリスト教は安定して島々に定着した。教会は人々をお互いに結び付け、環境破壊などの大きな問題に取り組む役割を果たしている。

福音が見事に普及して定着したオセアニアが、より模範的になり、多くの人々をキリストに導くことができるように祈っていただきたい。

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。