2024年6月4日18時56分

教皇、司教団との会合で同性愛嫌悪用語使用か 傷ついた人々に謝罪 「差別の意図ない」

ローマ教皇フランシスコ
ローマ教皇フランシスコ=2020年(写真:PIXEL2020 / Shutterstock)

ローマ教皇フランシスコは、バチカン(ローマ教皇庁)で5月20日に行われたイタリア司教団との約90分間にわたる非公開の会合で、神学校における同性愛者の受け入れ禁止について議論していた際、同性愛嫌悪用語を用いたと報道されたことを受け、差別的な表現をする意図はなかったとし、傷ついた人々に対し謝罪した。

教皇庁のマッテオ・ブルーニ広報局長は28日、声明を発表。教皇は、自身が会合で男性同性愛者に対するイタリア語の蔑称「frociaggine」を使用したと報道されたことについて認識しているとし、謝罪したことを明らかにした。

「教皇は決して同性愛嫌悪的な言葉で不快感を与えたり、表現したりする意図はなく、他者が伝えたような言葉を使ったことで不快に感じた人たちに謝罪をしています」

「教皇が何度も述べているように、教会には誰にでも、全ての人に居場所があります。誰一人として不要な人はおらず、誰一人として不必要ということはありません。私たちがそうであるように、誰もがそうなのです」

会合には、イタリア・カトリック司教協議会の司教ら200人以上が参加した。教皇はその中で、「同性愛を実践し、根深い同性愛の傾向を示し、いわゆるゲイ文化を支持する」男性を聖職者として認めないとする2005年のカトリック教会の立場を再確認したという。また、「指標を示すことが必要であり、司祭職を選んだ同性愛者が後に二重生活を送り、同性愛を実践し続け、同時にこの偽りに苦しむことになる危険を防ぐ必要がある」と述べたとされる。

その上で、複数の報道によると、教皇は蔑称の「frociaggine」を使い、「神学校には『frociaggine』が多過ぎる」とする考えを述べたという。

イタリアの一部メディアは、教皇はスペイン語を母国語とするアルゼンチン人であるため、「ニュアンスを意識することなく、やや独創的なイタリア語を間違えることがある」とし、誤ってこの言葉を使ったのではないかなどと論じている。