2024年5月18日19時26分

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(4)現地のシリア語を学習する4 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

読みはシリア語話者によって違いはあるが、私がトルコ・イスタンブールのシリアニー教会の教師から聞いて学んだところを記していく。

22の子音シリア文字に西方書体では5つの母音を付けて発音し、意味を理解する。シリア語は右から左へと読み書きする。ちなみに、西方書体の子音と母音記号の書体は、筆者の手書きから生まれたもの(子音の上にドットが2個ある場合は複数形)。

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(4)現地のシリア語を学習する4 川口一彦
イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(4)現地のシリア語を学習する4 川口一彦

[訳]そしてそのことばはアロホ(神)であった。(ヨハネの福音書1章1節)

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(4)現地のシリア語を学習する4 川口一彦

[訳]アダム  水(複)  彼は赤ちゃん  彼女は母

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(4)現地のシリア語を学習する4 川口一彦

[訳]見ておじさん、この魚はこの海からよ。

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(4)現地のシリア語を学習する4 川口一彦

[訳]マタイさん、この無花果(いちじく)を妹にあげる。

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(4)現地のシリア語を学習する4 川口一彦

[訳]見てエバさん、エバさんに桃を一つあげる。

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(4)現地のシリア語を学習する4 川口一彦

[訳]神は愛。

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(4)現地のシリア語を学習する4 川口一彦

[訳]おじさん(母の兄弟)、彼女の黒板が一つある。

文中の子音文字で、省略して合成する場合がある。次がその一例。

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(4)現地のシリア語を学習する4 川口一彦

次は、同じ子音文字の配列でも、母音記号によって読みと意味が違うのがあり、もし母音がない場合は前後の文脈で理解を求める。

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(4)現地のシリア語を学習する4 川口一彦

(続く)

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※ 参考文献
『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
『景教碑の風景』(シリーズ「ふるさと春日井学」3、三恵社、2022年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

愛知福音キリスト教会(日曜と火曜集会)ならびに名古屋北福音キリスト教会(水曜集会)の宣教牧師。フェイスブックで「景教の研究・川口」を開設。「漢字と聖書と福音」「仏教とキリスト教の違い」などを主題に出張講演も行う。書家でもあり、聖書の言葉を筆文字で書いての宣教に使命がある。大学や県立病院、各地の書道教室で書を教えている。基督教教育学博士。東海聖句書道会会員、書道団体以文会監事。古代シリア語研究者で日本景教研究会代表。特に、唐代中国に伝わった東方景教を紹介している。著書に『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』など。