2024年4月30日17時39分

ワールドミッションレポート(4月30日):ブルキナファソの教会が直面する迫害のために祈ろう

執筆者 : 石野博

ブルキナファソでは、政情不安が続いているため、イスラム過激派グループの影響はここ数年安定している。2022年には2度の軍事クーデターがあり、民間人の死者を出した。そのため23年の信仰に関連した暴力事件の数は減少した。同国には世界で最も深刻な難民危機の一つがあり、避難民の中には多くのキリスト教徒が含まれている。

軍事政権は戦争犯罪の告発に直面している。以前はイスラム過激派が活動できなかった場所であっても、もはや安全とは言えないのだ。このような背景から、ブルキナファソでイエスに従おうとするキリスト教徒にとって、信仰のために受けるリスクはつきものとなっている。

かつてのブルキナファソは、宗教共存のモデルのような国であったが、イスラム過激派の影響により、イスラム教徒とキリスト教徒の平和的共存の大部分が侵食されている。イスラム過激派からの暴力や脅迫に直面するだけでなく、イスラム教から改宗したクリスチャンは、イエスに従っているというだけで、家族や地域社会からの圧力、時には脅迫にさえ直面している。これらの信者は、家族から拒絶される可能性があるため、公の場で信仰を分かち合うことを恐れるようになることもある。また、地域社会がキリストへの信仰を放棄させようとすることもある。

ブルキナファソでは、イスラム教からの改宗者が最も激しい迫害に直面しているが、全ての信者がイスラム過激派から攻撃される危険にさらされている。特に同国の北部と東部地域のキリスト教徒はそのリスクが高い。

イスラム過激派によって拉致されたことのある信者は次のように証言する。

「私を誘拐した過激派は、祈りの時間になるとみんなを集めて祈らせました。私たちは拒否することも、隠れることもできませんでした。常に銃が私たちを取り囲んでおり、私たちはイスラム教の祈りをしないと殺される状況にあったのです」

ブルキナファソで暴力が続いていることは、国内の不安定な状況が続いていることを示している。ある地域では、誘拐されたり殺されたりするキリスト教徒がいなかったとしても、それは安全を意味しない。危険とは常に背中合わせだ。

このような地域では、全ての信者がより安全な地域に逃げざるを得なかったため、教会や村が空き家になっている。しかし、同国とアフリカのサヘル地域が政治的混乱に見舞われ続けているため、そのような安全とされる地域の一部でさえも、キリスト教徒にとっては安全を保証するものではない。

国境を接するマリやニジェールでのクーデターの影響も、ブルキナファソの不安定化の原因となっており、この地域で横行するイスラム過激派を増加させる一因となった。さらに、イスラム教からの改宗者に対する圧力も高まっており、イスラム教からイエスに従うことは依然として困難である。

ブルキナファソで暴力が続く中、拉致、性的暴力、殺害の危険にさらされている全ての人々のために祈ろう。特に迫害されている信者のために祈ろう。彼らにキリストの希望がもたらされ、その置かれる場所で人々と福音を分かち合うことができるように祈っていただきたい。

■ ブルキナファソの宗教人口
イスラム 52・2%
プロテスタント 9・2%
カトリック 11・5%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。