2024年4月27日18時25分

ワールドミッションレポート(4月27日):ケニア 涙の谷を通過するときも

執筆者 : 石野博

悲しみの季節は、新しい方法で主を信頼するように私たちを導くことがしばしばある。このレポートでも幾度か取り上げた宣教団体ケニア・ホープ(2023年7月12日、2023年2月28日、2021年3月22日の世界宣教祈祷課題参照)は、困難と喪失の中で主に希望を持つことを学んでいる。

「昨年の秋、ケニア・ホープのチームは4週間の間に最高の喜びと最低の悲しみを経験しました。まず、私たちの会計年度は9月30日に終了しましたが、素晴らしい年でした。ミニストリーの取り組みや新しい機会において、財政的にこれまでで最高の年でした」とケニア・ホープの米国ディレクターであるスティーブ・ホルマンは言う。

ところが10月末、交通事故により、常務理事を務めていたデイブとジョイのミューラー夫妻、そしてホルマンの娘のジュリーの命が奪われるという悲劇が起きた。予期せぬ喪失は、ケニア・ホープにつながる米国とケニアのコミュニティー全体に衝撃を与えた。

ホルマンは言う。「デイブとジョイは、ケニア・ホープのミニストリーに心血を注ぎ、肉体的にも霊的にも成熟した夫婦でした。ところが、彼らは突然いなくなってしまったのです。一瞬にして全てが変わりました。今、ケニア・ホープの取り組みを監督する舵取り役は誰もいません。この予期せぬ事故により、私たちは、彼らの後任につけるために、特定のケニア人スタッフをより高いレベルの責任者に引き上げることになりました。ケニア・ホープとコミュニティーのことをどうか祈り続けてください。私たちが何を持っており、そしてどこへ行こうとしているのかを把握するには、まだかなりの時間が必要なのです。私の理想の候補者は、優れたリーダーシップと異文化スキルの実績がある40代のベテラン宣教師です。そして、もし御心にかなうならば、主よ、すでにスワヒリ語を話せる人を与えてください」

ミニストリーの拡大という喜びの一方で、大きな喪失と悲しみが彼らを襲った。私たちに伝えられている福音の言葉もまた、多くの宣教師たちの涙の犠牲が紡がれて、届けられたことを覚えたい。

聖書は言う。「彼らは涙の谷を過ぎるときも、そこを泉のわく所とします。初めの雨もまたそこを祝福でおおいます」(詩篇84:6)

ケニア・ホープが通過させられている涙の谷が、喜びの泉の湧く祝福の場所に変えられるよう祈ろう。同宣教団体の慰めとケニアの宣教拡大のために祈っていただきたい。

■ ケニアの宗教人口
プロテスタント 56・8%
カトリック 21・5%
英国教会 8・9%
正教 0・8%
土着宗教 7・2%
イスラム 8・3%
ヒンズー 0・4%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。