2024年3月19日16時31分

ワールドミッションレポート(3月19日):米国 トレッキングミニストリー、ハイカーたちが道を見つけるのを助ける

執筆者 : 石野博

2020年の夏、アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教団の宣教師ブラッド・サッサーは、テネシー州の長距離ハイカーで「ボックスカー」として知られる男性の人生が変えられることを支援した。

どん底に落ち、人生の終わりを考えていたボックスカーは、サッサーの介入によって希望と新たな道を見いだした。一緒に祈った後、ボックスカーは犬を飼うことができる宿泊施設付きの料理長の仕事を見つけ、キリストを受け入れた。それは1年後に洗礼を受けるまでの旅の始まりとなった。

ハイキング・トレイルでは「シェップ」の名で知られるサッサーと、「ノー・マイル」の名で知られる妻のミシェルは、自然の中で平安と癒やしを求めるハイカーを支援することに務め、人生を神にささげている。彼らは、多くのハイカーが抱える根深い痛みや喪失感を認識している。23年、サッサーは教団によって任命された宣教師となり、ハイキング・トレイルで暮らす人々に焦点を当てるようになった。

サッサーたちはトレイル沿いにピクニック・スポットを設け、疲れた旅行者に新鮮な食事と親睦を提供する。トレイル・サーバンツ・アプリや聖句ステッカーなどのツールを使い、ハイカーにキリスト教のメディアや聖句を伝えることで人間関係を築き、福音を分かち合う。

PTSDと闘う退役軍人がハイキングの旅の後に教会を訪れ、そこで慰めを見いだすなど、サッサー夫妻はミニストリーを通して、神がハイカーたちにもたらした深い癒やしと変化を目撃してきた。ブラッド・サッサーは、ハイカーたちの外見にとらわれず、癒やしと救いを求める彼らの渇きがどれほど深いものなのか、そしてその渇きを認識することがいかに重要なのかを強調している。

単に大自然との触れ合いを求めて長いトレッキングの旅に出る者もあれば、傷心の痛みやトラウマ、人生に降りかかる難問の中で答えを見つけるために旅に出る者もある。

主イエスは言われた。「わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれひとり父のみもとに来ることはありません」(ヨハネ14:6)と。サッサー夫妻のミニストリーは、それらの人々に「真の道である方」を示し、福音にある希望を提供するためにささげられているのである。

キリストを指し示す目的は同じでも、サッサー夫妻がハイカーたちへの支援という手段を用いたように、その方法は千差万別であり豊かにある。私たちも置かれている場所で賜物を用いて、周りの人々に主を指し示そう。

これらのミニストリーがさらに豊かな実を結ぶように祈っていただきたい。

■ 米国の宗教人口
プロテスタント 35・3%
カトリック 21・2%
正教 1・7%
ユダヤ教 1・7%
イスラム 1・6%
無神論 16・5%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。