国際的なキリスト教宣教団体「ユース・ウィズ・ア・ミッション」(YWAM)の宣教師ら11人が24日、タンザニア北部アルーシャ近郊で発生した交通事故で死亡した。事故は複数の車両を巻き込んだもので、バスの運転手を含む他の数人も亡くなった。
事故に関するYWAMの発表(英語)によると、11人が死亡したほか、負傷した7人が現在も入院しており、このうち2人が重体で祈りが必要な状況だという。一方、これまで入院していた1人は退院した。
「私たちは、この悲劇によって影響を受けた全ての人々、その家族、そして共同体に、行動を伴って寄り添います。私たちは、差し迫った現実的、経済的、感情的な必要を満たすために働いています」
死亡した11人の国籍は8カ国にわたり、YWAMは現在、遺体をそれぞれの国に移送する手続きを進めている。一方、遺体の移送や葬儀、関係者の交通費など、事故に対応するためのさまざまな費用が予想され、保険適用後でも35万ドル(約5200万円)程度が必要になると見積もっているとし、寄付用のリンク(英語)を掲載し協力を呼びかけている。
YWAMは、死亡した宣教師ら11人の名前の一部を公表しているが、安全上の理由から、フルネームと国籍は非公表としている。現在、死亡または重体となっている宣教師の家族と連絡を取っている最中だとし、最新の情報が入り次第、報告するとしている。
また、この事故に関する未確認の情報を拡散しないよう人々に呼びかけ、関係者の家族のプライバシーを尊重すべきだと強調。正確な情報を広めるため、YWAMが発信する最新情報を共有するよう呼びかけている。
新華社通信(英語)によると、この事故では少なくとも15人が死亡し、12人が負傷した。事故はアルーシャ郊外のヌガラムトニで発生し、4台の車両を巻き込んだもので、トラックのブレーキ故障が原因とみられているという。
アルーシャ州のジャスティン・マセジョ知事は、事故の状況と地域社会への影響を詳しく説明した。それによると、巻き込まれた車両には、地元の学校「ニュービジョンスクール」の生徒と教師を乗せた車両や、公共バスが含まれていたという。負傷者は「メルー山病院」や「セリアンルーテル病院」など市内の主要な病院に搬送され、治療を受けている。
事故に巻き込まれた宣教師らは、YWAMの宣教師訓練機関「ユニバーシティー・オブ・ザ・ネイションズ」(UofN)のエグゼクティブ修士課程の短期集中コースの受講生ら。フィールドワークのためバスで移動していた際、事故に遭ったという。YWAMのバスは計2台で、このうち1台が大きな被害を受けた。別の1台はアルーシャにあるYWAMの施設まで無事戻ったという。
YWAMは24日、事故に関する最初の報告で次のように述べていた。
「われわれは2時間前、タンザニアのアルーシャでバス事故が起きたことを知りました。この事故に、UofNのエグゼクティブ修士課程短期集中コースに参加していたYWAMのメンバーらが巻き込まれました。このコースの講師と受講生は2台のバスで一緒に移動していましたが、1台がトラックにはねられました」