2024年2月26日09時05分

ワールドミッションレポート(2月26日):アルメニア バイブルキャンプと少女の祈り

執筆者 : 石野博

アルメニアで開かれた夏のバイブルキャンプで、シュシャンは生涯最高の5日間を過ごした。

シュシャンは、アルコール依存症の父親と、この父に感情的に距離を置く母親の間に生まれ育った。両親の間には口論が絶えず、いつも互いを非難し合っていた。物心ついたときからこのような家庭で育ったシュシャンと2人の兄弟は、これが普通の家庭なのだと思い込んでいた。

酒に入り浸っている父親のせいで、シュシャンの母親は働かざるを得なかった。そこで彼女は、町の教会の掃除婦の仕事を見つけた。シュシャンは食べ物がもらえるという理由で、教会の夏のバイブルキャンプに参加することにした。

「私の家庭にはぬくもりがありませんでした。キャンプリーダーのマリーンが私を抱きしめてくれたとき、うれしくて涙が止まりませんでした。今まで私にそんなふうにしてくれる人は誰もいませんでした。キャンプは5日間続きましたが、それは私の人生で最高の5日間でした」

キャンプ中、シュシャンはイエスについて学び、イエスがどれほど自分を愛しておられるかを知った。彼女はそのキャンプで、自分の人生をイエスにささげる決心をしたのだ。そして彼女はバイブルスタディーグループに参加し始めた。

やがてシュシャンの父親は、不摂生がたたって病気になり、入院することになった。ある日、父親が眠っている間、シュシャンはベットの横に座って父親のために祈っていた。「目を覚ました父は、私を見て開口一番こう言いました。『娘よ、私はもう酒を飲まないことに決めたよ』と。ああ、その日、なんと神は私の祈りに応えてくださったのです!」

ハレルヤ!完全に崩壊していた家庭がまた一つ、魂のスーパードクターであられる主イエスによって、完全に回復させられたのだ。救いは小さな少女から始まり、家庭全体にもたらされた。主はどんなにか小さき者の祈りを愛しておられることだろう。

諦めず、たゆまず、愛する者のために祈ろう。時がくれば、私たちは必ず刈り取るようになるのだから。

「涙とともに種を蒔(ま)く者は、喜び叫びながら刈り取ろう。種入れをかかえ、泣きながら出て行く者は、束をかかえ、喜び叫びながら帰って来る」(詩篇126:5〜6)

■ アルメニアの宗教人口
正教会 84・6%
プロテスタント 2・3%
カトリック 7・3%
無神論 3・7%
イスラム 1・8%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。