2024年2月21日11時07分

ワールドミッションレポート(2月21日):インドネシアの迫害のために祈ろう

記者 : 石野博

近年インドネシア社会は保守的なイスラム教の解釈にますます影響され、キリスト教徒を取り巻く状況が悪化している。世論調査では、特に若者が保守的な考えを抱いていることが示されており、イスラム教の服装に関する条例も一般的になりつつある。

イスラム教からの改宗者の多くは、家族からの圧力を経験している。しかし、その圧力の強さは個々の家庭や場所によって異なる。キリスト教から改宗した者に対する圧力のほとんどは、孤立、暴言、仲間はずれという形をとる。改宗者のごく一部が身体的暴力に直面し、インドネシアの他の地域に移住することを余儀なくされることがある。西ジャワ州やアチェ州のように、急進的なイスラム集団が社会や政治に大きな影響力を及ぼしているところでは、その圧力も高くなる。

教会がキリスト教を布教していると思われる場合、イスラム過激派グループの反対に遭う可能性が高い。地域にもよるが、教会を建てる許可を得るのが難しい教会グループもある。たとえ法的要件を全て満たしたとしても(そして裁判に勝ったとしても)、地元当局に無視されることがある。

インドネシアにおける迫害の主な温床はアチェ州だ。シャリーア(イスラム法)によって統治されている唯一の州である。新しい教会を建てることは難しく、イスラム教からの改宗者は、国内のどの場所よりも大きな圧力に直面している。最近の立法府の決定は、西スマトラ州でも統治シャリーア法が採用されるのではないかという懸念をかき立てた。一般的にいって、インドネシアのイスラム教からの改宗者は、その信仰のために最も大きな圧力とリスクに直面している。

最近、過激なイスラム教徒数十人が逮捕された後、暴力の報告は少なくなったが、インドネシアのキリスト信者を取り巻く状況はあまり変わっていない。教会は、たとえ建築許可を得たとしても、困難や反対に直面し続けている。多くの信者にとってプレッシャーは依然として高く、一部の信者にとってはイエスに従うことが困難な状況もある。

インドネシアのある地域ではクリスチャンが自由に礼拝しているが、他の地域では信者が日陰に追いやられることがある。これらの潜伏する群れが守られるように祈ろう。イエスに従うために、イスラム教を離れたために、家族や地域社会から拒絶されている信者のために祈ろう。インドネシア社会が、キリスト教礼拝とキリストへの信仰に開かれ、寛容になるよう祈っていただきたい。

■ インドネシアの宗教人口
イスラム 80・3%
プロテスタント 10・8%
カトリック 3・1%
儒教 0・9%
仏教 0・4%
ヒンズー教 1・3%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。