2024年2月15日17時59分

ワールドミッションレポート(2月15日):フィンランドの若い男性たちの間に起きている驚くべき目覚め

執筆者 : 石野博

フィンランドは欧州で唯一、若い男性の宗教的関心が高まっている国だ。

ほとんどの北欧諸国、そして欧州全体がそうであるように、フィンランドでもキリスト教信仰への参加は、過去数十年にわたって減少していた。近隣諸国ではこの減少傾向がまだ続いているようだが、フィンランドでは近年、教会への出席率が安定しているのだ。その理由の一つは、フィンランドの若い男性たちの間で起きている霊的な目覚めにある。

ハンナ・サロマキ氏は、フィンランド福音ルーテル教会の一部である研究所を率いている。サロマキ氏は驚くべきデータを発表した。フィンランドでは近年、教会に毎月通う若い男性(15歳から29歳)の数がかつてないほど増えているという。2011年には5%だったのが、19年には12%となり、倍以上に上昇しているのである。これに対し、同じ年齢層の女性は、この8年間で教会礼拝に参加する人数は増えているものの、その伸び率は3%から4%に上昇したに過ぎない。

サロマキ氏によると、若い男性の霊的目覚めは、教会への出席率に現れているだけでなく、別の形でも現れているという。調査によると、少なくとも週に一度は祈りをささげる同年代の男性は、2011年の16%から19年には26%に増加している。驚くべきことに、週に1回以上祈る同年代の若い女性の数は、同じ期間に減少しているにもかかわらずだ。

世界的に見て、男性より女性の方が信仰に対してより積極的である傾向は、ほぼ定着している認識だが、近年のフィンランドの若年層の間では、この傾向に対して逆転現象が起きているのだ。

聖書的に見るなら、男性は女性よりも、より大きな祭司的な霊的責任が委ねられている。そういう意味で、フィンランドの若者の間で起きている世界的傾向に逆行する現象は、フィンランドの近未来に明るい兆しを投じているのかもしれない。同国の若い男性の間に起きている霊的覚醒が、ぜひ若い女性たちの間にも波及してほしいと願うものである。

北欧の小国フィンランドだが、若者中心のリバイバルが欧州全体に影響を及ぼすように祈っていただきたい。

■ フィンランドの宗教人口
プロテスタント 83・3%
カトリック 0・2%
正教関係 1・1%
イスラム 0・6%
ユダヤ 0・02

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。