2024年1月31日10時09分

ワールドミッションレポート(1月31日):ベネズエラ ある姉妹の証し

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(1月31日):ベネズエラ ある姉妹の証し
ベネズエラの首都カラカス(写真:Paolo Costa Baldi)

ベネズエラの生活は、今日の世界の基準から見ると非常に困難なものだ。現在進行中の社会的、経済的、政治的危機は、ハイパーインフレ、飢餓、病気、犯罪を引き起こしている。これはベネズエラ史上、最悪の危機だと考えている。国連は、ベネズエラ国民の94%が貧困にあえぎ、すでに人口の20%が国外に流出していると推定している。

ジェネシスは、祖国に残ったベネズエラ人の一人だ。自国民の間にまん延する絶望に立ち向かうため、彼女は教会に通い始めた。しかし、主にある喜びを感じるどころか、教会への出席は、彼女にとって義務感でしかなかった。神への深い必要性を感じていたものの、自分が信じる神との出会いはなかったのだ。

そんなマンネリ化した信仰生活を送っていたある日、ある聖書的なグループから訓練を受けた信者たちが彼女の家にやって来た。彼らは彼女と神について話し、神の御言葉を分かち合った。彼らはジェネシスに、彼らの仲間が集う近くの教会の聖書の学びや祈り、礼拝に参加するよう勧めた。

「私はその教会に通う決心をしました。彼らは大きな喜びと気配りで私を迎えてくれました。彼らは、私がどのようにキリスト・イエスに人生をささげ、私の問題に対する神の答えを見つけることができるかを説明してくれたのです。すぐに、私はイエスを主として受け入れ、バプテスマを受けました」とジェネシスは言う。

ジェネシスはこの信者たちと集まりを続け、今では彼女の娘も彼らに加わっている。「この信者たちは、互いのために祈ったり、困難な状況にある人を助けたりするのにとても積極的です。聖書に書かれていることしか話さないし、教えも神の御言葉に基づいているのがとても好きです」と彼女は締めくくった。

困難の続くベネズエラだが、祖国に残り、国の再興のために取り組む人々に、私たちの聖書が指し示す希望はどれほどの力になるのか計り知れない。ベネズエラの国家的危機のこのとき、人々がキリストと出会うことができるよう祈っていただきたい。

■ ベネズエラの宗教人口
カトリック 71・1%
プロテスタント 12・2%
正教会関係 0・1%
イスラム 0・4%
ユダヤ教 0・1%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。