2023年12月28日19時28分

古代東方大秦景教旅行写真記(18)メソポタミアの地トルコの東方教会(6)ある修道院 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

次に訪問したのは、ある修道院。若い解説者が懇切丁寧に説明してくれた。訪問した時刻も遅く、写真撮影にも時間がかかった。青年とその家族や親戚の方々に、食べる物を持っているので夕食を一緒にどうかと尋ねると、食事を用意してくれて、食卓を囲みながら楽しい和やかなひとときを過ごした。

古代東方大秦景教旅行写真記(18)メソポタミアの地トルコの東方教会(6)ある修道院 川口一彦
古代東方大秦景教旅行写真記(18)メソポタミアの地トルコの東方教会(6)ある修道院 川口一彦
古代東方大秦景教旅行写真記(18)メソポタミアの地トルコの東方教会(6)ある修道院 川口一彦

修道院の内外を見せてもらい、また驚きであった。天上には十字と、聖霊あるいは平和のシンボルのハトがデザインされていて、十字の先端部分を見れば、南インドの使徒トマス諸教会や景教碑の十字と似ていることに驚いた。

南インドで見た聖トマス諸教会の十字や先端のハトのデザインは似ている。その写真がこちらだ。

古代東方大秦景教旅行写真記(18)メソポタミアの地トルコの東方教会(6)ある修道院 川口一彦
南インドの聖トマス教会のもの。聖霊とハトは、イエスの洗礼の時の記事に見られるもの(ルカ3章22節参照)。
古代東方大秦景教旅行写真記(18)メソポタミアの地トルコの東方教会(6)ある修道院 川口一彦
古代東方大秦景教旅行写真記(18)メソポタミアの地トルコの東方教会(6)ある修道院 川口一彦
各シリア正教会の十字や塔はよく似ていた。
古代東方大秦景教旅行写真記(18)メソポタミアの地トルコの東方教会(6)ある修道院 川口一彦

どうして菊のデザインがあるかが分からず、質問しても青年は分からないとの返答であった。菊のデザインはエルサレムの城壁の門の上部にも見られ、以前に訪れたキルギスのある家のひさしにも見られた。もちろん日本の各地で多く見られることは知られている。

古代東方大秦景教旅行写真記(18)メソポタミアの地トルコの東方教会(6)ある修道院 川口一彦
玄関から塔を写す。
古代東方大秦景教旅行写真記(18)メソポタミアの地トルコの東方教会(6)ある修道院 川口一彦
前景を写す。

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※ 参考文献
『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
『景教碑の風景』(シリーズ「ふるさと春日井学」3、三恵社、2022年)

【著者の最新刊】
『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)

古代東方教会遺跡巡り旅行記(14)メソポタミアの地トルコの東方教会(2) 川口一彦

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

愛知福音キリスト教会(日曜と火曜集会)ならびに名古屋北福音キリスト教会(水曜集会)の宣教牧師。フェイスブックで「景教の研究・川口」を開設。「漢字と聖書と福音」「仏教とキリスト教の違い」などを主題に出張講演も行う。書家でもあり、聖書の言葉を筆文字で書いての宣教に使命がある。大学や県立病院、各地の書道教室で書を教えている。基督教教育学博士。東海聖句書道会会員、書道団体以文会監事。古代シリア語研究者で日本景教研究会代表。特に、唐代中国に伝わった東方景教を紹介している。著書に『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』など。