2023年12月22日11時07分

ワールドミッションレポート(12月22日):スイス 車輪の付いたプレイヤールーム

執筆者 : 石野博

スイスの「24-7 Prayer」は、古いバスを伝道ステーションに改造し、リビングバスと呼ばれる移動可能な祈りの部屋を作った。

神の語りかけに私たちが耳を傾けるとき、時には信じられないようなことが起こるものだ。長い間、スイスの「24-7 Prayer」チームの心の中には「祈りのバス」についての静かな考えがくすぶっていたが、2021年秋に行われたリトリートで、この思いが再燃したのだ。

しかしチームには、資金も資源もなく、そのようなプロジェクトを管理する時間もない。完全にそのビジョンは不可能に思えた。そこでチームは、それを神の御手に委ねて祈った。「主よ、私たちに祈りのバスを走らせたいのでしたら、このビジョンを担う人々が必要です」と。

数カ月後、彼らはマーティンという男性からメッセージを受け取った。彼は、絶対に彼らと分かち合わなければならないビジョンが胸にあると告げたのだ。それから間もなく、全長12メートルのバスが到着したのである。

するとすぐにバスを停める場所が見つかり、パートナーが到着して、バスの改造と整備が始まった。全ての座席が取り払われ、NPO団体が設立された。そしてハインツという男が現れた。彼は地元の人間で、バスの電気技師としての経歴を持つ人物だった。

再燃したビジョンを実現する段階で、チームは次々と奇跡を経験した。その一つが、インスタグラムにドリルを売りに出した男の話だった。彼は他の多くの電動工具を元の価格の3分の1で売っていたことが分かった。チームは何度も何度も、プロジェクトを継続させるために絶妙なタイミングで神の備えを目の当たりにしたのだ。

半年にわたる内装工事の後、2022年12月27日、祈りのバスは6千人以上の若者たちが参加するユースキャンプで初めて使用された。このイベントは完全な成功だった。バスは、人々が集い、静養し、祈る場所となったのである。今年、チームは旅に出る準備ができているという。

アイデアと幻に対して熱意を持ち、信仰に立ったとき、若者たちの祈りに主が応えられたのだ。大胆に求めるとき、道が開かれる。主がこのバスを用いて、若者たちを通して欧州の福音化が進むように祈ろう。彼らのように、福音のために情熱的なチャレンジをする若者たちの伝道が祝されるように祈っていただきたい。

■ スイスの宗教人口
プロテスタント 25・4%
カトリック 32・9%
英国教会 0・2%
正教関係 2・6%
イスラム 5・5%
無神論 32・3%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。