2023年12月18日08時33分

おとぎ話ではない癒やし主の誕生 万代栄嗣

コラムニスト : 万代栄嗣

さて、この土地に、羊飼いたちが、野宿で夜番をしながら羊の群れを見守っていた。すると、主の使いが彼らのところに来て・・・言った。「・・・きょうダビデの町で、あなたがたのために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。あなたがたは、布にくるまって飼葉おけに寝ておられるみどりごを見つけます。これが、あなたがたのためのしるしです。」すると、たちまち、その御使いといっしょに、多くの天の軍勢が現れて、神を賛美して言った。「いと高き所に、栄光が、神にあるように。地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。」(ルカ2:8~14)

皆さんは、クリスマスらしい喜びが心にあり、イエス様の恵みによって潤され、また魂に救いを得て、平安や力強い祝福のある毎日を送っていらっしゃいますか。暗いニュースの多い世の中ですが、私たちの心の中も暗い話題でいっぱいにならないように気を付けたいと思います。

今日お開きしたルカの福音書2章は、有名なクリスマスの物語です。ちょうどイエス様がお生まれになった夜、夜通し羊の番をしていた羊飼いのところに、光輝いた主の使いが現れ、「恐れることはありません。今、私はこの民全体のためのすばらしい喜びを知らせに来たのです」(10節)と語られました。

マリヤの受胎告知やベツレヘムの馬小屋でのイエス様の出産、東方の博士たちが黄金、乳香、没薬の贈り物で礼拝したような、代表的なクリスマスのエピソードがありますが、注意してほしいのは、このクリスマスの物語を単なる心温まるおとぎ話、昔話で終わらせないで、事実として受け止めてほしいということです。

4つの福音書の後に来る「使徒の働き」は、同じルカによって書かれました。ルカの福音書では、イエス様の誕生から始まり、ご生涯、弟子たちとの時間、十字架とよみがえりについて記しました。使徒の働きでは、弟子たちが聖霊を受けて教会が誕生し、全世界に福音を宣べ伝える一連の事柄が記されています。

それらを書いたルカが、一部分だけおとぎ話として書き、途中から歴史上の事実を書くということは考えられません。イエス様の物語を書くときも、彼と共に過ごした使徒たちの歴史を書くときも、自分たちが生きる同じ世界の時間と空間の中で起こった事実として書き記しました。

クリスマスをおとぎ話ではなく、私たちの上に起こる神様の恵みと捉えるために4つのポイントを確認しましょう。

1. クリスマスに “よき知らせ” を!

このクリスマス、私たちを幸せにする本物の “よき知らせ” を聴き、神様から元気、勇気、励ましを頂きましょう。

2. “よき知らせ” を自分のものとしよう!

御使いが言う “よき知らせ” を2千年前の民や羊飼いだけのものに限定せずに、「私のもの」として受け止めましょう。

3.「救い」を「癒やし」を通して体験しよう

イエス様は、出会う人々を救い、癒やしを求める人々を全て癒やされました。救い主によって癒やされ、私たちの人生に神の御業が現されることを体験しましょう。

4. 聖霊が豊かに働くクリスマスを!

御子イエス・キリストの誕生によって、神の偉大な救いの御業、聖霊による神の働きが始まったのです。弟子たちが聖霊に満たされ、しるし、不思議、力ある業を行う者として全世界に散らされ、教会を建て上げていったように、キリストの誕生を通して、私たちに御霊による働きが与えられました。キリストの誕生は史上最大の奇跡です。このクリスマスの日々、そのことを覚え、神様による癒やしを体験しようではありませんか。

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万代栄嗣

万代栄嗣

(まんだい・えいじ)

松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。

また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。

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