2023年12月16日09時41分

ワールドミッションレポート(12月16日):キリスト教教育運動に拍車をかけるアルゼンチンの教会と親たち

執筆者 : 石野博

数十年にわたる社会主義の下、アルゼンチンの公立学校では、世俗的な理想や反聖書的な価値観がどんどん教室に押し込まれている。さらに、国は今、教師不足に直面している。

アルゼンチンの「ティーチ・ビヨンド」のナショナル・ディレクターであるマリソル・ゴメス氏は「教師の給料は非常に低いので、教師になるために勉強しようとする人はほとんどいません。だから、教師が不足しているのです。公立学校における非聖書的なジェンダー教育の問題から、教会が自分たちの力で学校を開いています。しかし、彼らは、信者の教師の絶対数が足りないため、信者でない人を雇わなければならないことを理解しています」と述べる。

2年前、主はアルゼンチンの信者たちの心に重荷を負わせ、ティーチ・ビヨンドと共にキリスト者の教師養成の大学を開校させた。

ゴメス氏は言う。「人間的な視点から言えば、政府がこれらの教育機関を閉鎖しているので、開校は不可能でした。政府はこのような教育機関を必要としていないのです。だから、長いプロセスを経てこれが認可されたのは、まさに奇跡でした。今年3月、教員養成大学は約14人の学生と共に開校したのです。これは、学校に教師を派遣し、学校で教師が使命を果たせるようにするというビジョンなのです。その背景には、今回、親たちが初めて学校の開校や教育におけるキリスト教運動に関わり出したことがあります」

「私は、アルゼンチンのキリスト教教育者たちの間でこのようなリバイバルが起こっているのを目の当たりにしています。また、特に教会の側では、学校を開き、自分たちの生徒を(公立の)教育システムから脱却させるための代替案を考えることに、ますます熱心に取り組んでいます」

公立学校でのジェンダー教育が聖書の価値観と相容れない傾向は、世界的に加速している。そのような流れにあらがう形で、敬虔な教会や親たちが立ち上がっている。このような抵抗も世界的に広がりつつある。彼らが価値観闘争の摩擦の中で、守るべきものを守ることができるように祈ろう。

キリスト教教育が、アルゼンチンの学生たちに福音を示すことができるように祈っていただきたい。

■ アルゼンチンの宗教人口
カトリック 87・0%
プロテスタント 11・9%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。