2023年12月4日22時10分

ワールドミッションレポート(12月4日):米国 暴動からリバイバルへ

執筆者 : 石野博

2020年という年は、本当にいろいろなことが起きた。特に米国が震源地になる出来事が多く、記憶にとどめている者も少なくないだろう。パンデミックに始まり、波乱含みの大統領選挙は年内に決着が着かず、翌年にもつれ込んだことも異例だった。

中でも5月にミネアポリスで起きたジョージ・フロイドの死亡事件は、全国的な抗議デモとなり、MLB(ブラック・ライブズ・マター)運動は各地で暴動にまで発展して大荒れに荒れた。その影響は米国内にとどまらず、海外にも及んだ。

この時、チャールズ・カルクによって始められたクリスチャン・ムーブメント「暴動からリバイバルへ」は、福音のメッセージの力によって人々の心を癒やすためにウィスコンシン州ケノーシャの街頭で行われた。このケノーシャは、ジョージ・フロイドの死亡事件からわずか3カ月後の8月23日、黒人男性ジェイコブ・ブレイクが警官たちによって銃撃された事件の現場だった。この事件をきっかけに、同市や全米各地で抗議や暴動が相次いだ。カルクは、そのような殺気立った人々の心に、キリストの平安と救いを届けようと立ち上がったのだ。

カルクは幾つかのフェイスブックへの投稿で「癒やしを始めよう!」という言葉とともに、人々が祈り、共に礼拝している写真を掲載した。その当時、街頭で起きた奇跡や人種間の和解、自然発生的な洗礼の様子などがつづられた。同様の「暴動からリバイバルへ」の集会は、ニューヨークとボストンでも開催された。

いまだに米国では人種間の摩擦がくすぶっている。そのような対立の構造に、福音を携えて間に立つ者がいるのには大きな励ましを受ける。米国の人種間の痛みの記憶が癒やされ、彼らが人種を超えた兄弟愛のテーブルにつき、主イエスにあって互いに愛し合うことができるよう祈ろう。和解と癒やしのために努める兄姉らの働きが豊かな実を結ぶことができるよう祈っていただきたい。

■ 米国の宗教人口
プロテスタント 35・3%
カトリック 21・2%
正教 1・7%
ユダヤ教 1・7%
イスラム 1・6%
無神論 16・5%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。