2023年11月17日10時47分

幸せは思い通りにいかない中にある 菅野直基

コラムニスト : 菅野直基

思い通りにいかないと「コレさえなければ幸せなのに」と考えてしまうことはないでしょうか。「この人さえいなければ」「この夫(妻)さえいなければ」「この病気さえなければ」「この借金さえなければ」「あの上司さえいなければ」

でも、そう考えている限り、幸せはいつまでたってもあなたのもとにはきません。

モーリス・メーテルリンク(Maurice Maeterlinck、1862〜1949)作の『青い鳥』は、2人の兄弟であるチルチルとミチルが、幸せの象徴である青い鳥を探しに行きますが、青い鳥はどこか遠くではなく、最も手近なところにいたというお話です。

本当の幸せは、思い通りに人生がいくところにあるのではなく、「コレさえなければ」という悲しみやつらい経験の中で「素晴らしい何か」を見つけ出していくことにあるのではないでしょうか。

思い通りにいかない出来事に対して拒絶するのではなく、それを受け入れましょう。そこに青い鳥が隠れているのですから。

もう「コレさえなければ」と思わないで、「コレ」と共に生きていく人生を選び取っていきましょう。

誰も新型コロナを好きな人はいないはずです。しかし「ウィズコロナ」という発想で、コロナを避けられないならコロナと共存してきたように、「コレさえなければ」と思う「コレ」と「ウィズコレ」で生きていきましょう。

聖書は「曲がっているものを、まっすぐにはできない。なくなっているものを、数えることはできない」(伝道者の書1:15)と語ります。曲がっているものを「真っすぐであればいいのに」と考えたり、なくなったものを数えて「ないものねだり」をするのではなく、現状を受け入れ、感謝することです。

現状が完全ではないからこそ、理想を追い求め、希望を持ち、夢を追いかけていくのです。その人生のプロセスの中で、幸せの青い鳥と出会えるはずです。青い鳥は、あなたの最も近くにいるかもしれません。

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菅野直基

菅野直基

(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッションなどの地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での賛美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式など、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

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