2023年11月11日10時41分

ワールドミッションレポート(11月11日):ネパール 地震の被災地に希望を

執筆者 : 石野博

11月3日金曜日の真夜中前、ネパール北西部でマグニチュード6・4の地震が発生し、少なくとも157人が死亡した。余震が続く中、負傷者は260人を超え、必要な人々への援助の輸送は難航している。

ネパールで働くキーズ・フォー・キッズ・ミニストリーズのグレッグ・ヨーダー氏は「ネパールの北西部は、同国でも最も未開発で、岩が多く、支援が届きにくい地域です」と語る。

キーズ・フォー・キッズのパートナー団体グッド・ニュース・ネパールは、震源地の近くで活動している。ヨーダー氏によると、この地震による被害は、地震の直接的な被害だけではなく、物資や救助が間に合わなかったことによるものが決して少なくないという。

2015年に同国を襲ったマグニチュード7・8の地震では、9千人が死亡し、100万棟の建物が損壊したが、今回の地震はそれ以来最悪のものだった。政府は数年前にもこのような経験をしており、村全体が破壊されるのを見てきた。

ただ町や村の復興を目指すだけではなく、11月3日の地震以前から苦労していた多くの人々の健康上のニーズに対応する必要がある。「ネパール政府が医療ニーズに対応する計画を立てれば、今度はグッド・ニュース・ネパールがやって来て『よし、一歩前進して、人々の心のケアを始めるぞ』と言うでしょう」とヨーダー氏は言う。

目下のところ、援助関係者は被災者のための一時的な避難所、食料、清潔な水、医薬品を優先している。地震は複数の地滑りを引き起こし、遠隔地の村々への道を塞いだ。現在、多くの地域は徒歩でしかアクセスできない。

「私たちは現地で祈り、現地の奉仕者の活動を支援することができます。現地にいる私たちのパートナーは、山から出てくる人々に福音を伝えています。このような状況でも、彼らはこれまで以上に伝道することに熱心になっています」

多くの地震被災者がこの伝道活動を通して福音のメッセージに出会い、キリストへの救いの信仰を持つようになることを祈っていただきたい。

■ ネパールの宗教人口
ヒンズー 75・0%
プロテスタント 2・9%
カトリック 0・02%
イスラム 4・4%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。