2023年11月5日06時15分

ワールドミッションレポート(11月5日):草の根の伝道が進むベラルーシ

執筆者 : 石野博

ベラルーシのヤロスラフと彼の家族は、都会での生活を離れ、村に移り、主に仕えていた。彼らは小さな家を購入し、そこで聖書研究会と祈祷会を開いた。ところが地元の牧師の一人がヤロスラフの悪口を言い始めたのだ。しかし、ヤロスラフ夫妻は誹謗中傷に負けず、自宅に人々を招き続けた。すると子どもたちのためのバイブルスタディーが始まった。

そうこうしていると、彼らの村で3人の子どもを育てていたシングルマザーの女性ががんにかかっていることが分かった。彼女の子どもたちはヤロスラフのバイブルスタディーに参加していたのだ。

そこでヤロスラフは彼女を訪ね、神の愛について話した。彼はこの困難な状況で彼女を救うためにできるだけのことをした。

ある晩、ヤロスラフは女性の症状がかなり悪化していることを知らされた。そこでヤロスラフは、彼女の子どもたちを家に引き取ってほしいと頼まれた。子どもたちはすでにバイブルスタディーでヤロスラフを知っていた。

その夜、女性は亡くなり、子どもたちは孤児となってしまった。親類は子どもたちを欲しがらなかったので、子どもたちは孤児院に行くことになった。

しかし、ヤロスラフと彼の妻は子どもたちを養子に迎えることにしたのだ。子どもたちは母親の死を悲しんだが、自分たちの後見人が神を愛する家族であり、その一員になることが分かっていたので、それは子どもたちにとっての大きな慰めとなった。そして、子どもたちの一人は今年洗礼を受けたのである。

一人の男が神の呼びかけに従ったことで、多くの人々に影響を与えることがある。とりわけヤロスワフの決断が、母を失った悲しみに暮れる子どもたちの人生に及ぼす影響力を考えると、それは計り知れない。彼らの人生全てにおいて神がなさろうとしていることが、誰も想像することができないほどの大きな祝福を人々にもたらすことを祈らずにはおれない。

福音主義教会への弾圧があるベラルーシだが、ヤロスワフのような草の根のチャーチビルダーが豊かに実を結ぶように祈っていただきたい。

■ ベラルーシの宗教人口
正教関係 57・8%
プロテスタント 2・2%
カトリック 10・5%
無神論者 28・1%
ユダヤ教 0・5%
イスラム 0・6%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。