2023年11月4日09時04分

ワールドミッションレポート(11月4日):カナダでモホーク語聖書が完成する

執筆者 : 石野博

カナダの先住民モホーク族が、自分たちの言語の聖書を完成させた。

このモホーク語訳聖書は、ケベック州カネサタケに住むハーヴェイ・サテワス・ガブリエル氏が中心となり、17年以上の歳月を費やし、ついに完成に至った。

実はこのガブリエル氏は、1800年代半ばに福音書をモホーク語に翻訳したジョセフ・スワン牧師として知られるソセ・オナサケンラット氏のひ孫に当たるのだ。彼は、曽祖父によって築かれた土台の上に立っているのである。

ガブリエル氏の好きな聖書の一節は、ヨハネの福音書1章の「初めに言葉があった」である。彼は教会で、初めてそれを聞いたときのことをよく覚えている。そして母親にこのような質問をよくした。「なぜモホーク語の聖書がないの?」と。その疑問は彼の心にずっと残っていたのだ。数十年の時を経て、神はそのモホーク語の聖書を世に送り出すために、彼を用いたのである。

聖書全体が翻訳されただけではなく、それは印刷され、全てのモホーク族が利用できるようになった。彼はこれを心底喜んでいる。このモホーク語聖書の売り上げは、先住民言語の聖書翻訳プロジェクトに使われるそうだ。

聖書は、全ての人間に宛てられた神からのラブレターだ。誰一人として、この愛の言葉を母語で読めない者があってはならない。このような草の根の翻訳者の奮闘は今日も続き、また一つの言語、一つの民族が自分たちの言葉で神の言葉を手にすることができるようになる。

聖書翻訳の促進のために祈ろう。その結果、全ての人が聖書の示す神の愛と希望に触れることができるように祈っていただきたい。

■ カナダの宗教人口
プロテスタント 10・14%
カトリック 40・9%
イスラム 2・9%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。