2023年10月20日20時54分

ワールドミッションレポート(10月20日):ラオスの迫害にある兄姉たちのために祈ろう

執筆者 : 石野博

ラオスの共産党当局は、ほとんどの教会の集会を「違法な集会」と見なしており、キリスト信者は厳しい監視の下で生活している。

ラオスでは、政府に公認されているが厳しい監視の下に置かれる教会もあれば、公認を得られず秘密裏に活動しなければならない教会もある。政府公認の教会でも、常設の建物を持つものは少なく、自宅で集会を開かざるを得ない。キリスト教徒は一般的に、西洋の影響を受けた「国家の敵」と見なされている。

未登録の教会の指導者たちは逮捕され、1年もの間拘束されている。彼らの家族や教会は、釈放のために巨額の金を支払わなければならない。ほとんどの場合、地元当局が迫害の元凶であり、彼らは地域社会や家族と協力していることが多い。

キリスト教徒は職場での差別に直面し、信仰が知られるようになると、政府の仕事から締め出されたり、失職したりすることもある。教育や職業上の機会の欠如は、キリスト者の少年や男性が麻薬中毒に陥る一因となっている。

ラオス北部の牧師によれば、キリスト教徒の少女が中国に売られる人身売買の花嫁として狙われることが増えているという。仏教徒からキリスト教徒になった人々は、家族や地元当局からの圧力や暴力に直面している。地域社会はしばしば新しい信者に反感を抱く。その反発は、彼らが故郷の村から追放されるまで続く。

ラオスでは、非公認の教会の信者は特に危険にさらされている。幾つかの県の地方当局は、キリスト者の声を一切封じようと決意している。首都ビエンチャンのような都市部では教会の自由が少しは認められているが、農村部のキリスト者は、地域社会からは一般的に部外者あるいは裏切り者とさえ見られている。

キリスト者は、ラオスの土着信仰から脅威と見なされ、彼らの村の繁栄を左右する精霊を怒らせると信じられていることが多い。首都の役人たちは、信教の自由の重要性について研修を受ける機会が増えているが、地方当局にその影響は及んでいない。

2022年10月、カムアン県で牧師が殺害されたニュースは、キリスト教の共同体に衝撃を与えた。

主なる神よ、ラオスにいるあなたの子どもたちに、彼らの多くが直面している圧力に立ち向かう力をお与えください。国家の監視の目をかいくぐり、クリスチャンたちが互いに集まり、励まし合うことができますように。牧師が拘留されている家の教会の信仰を守り、強めてください。村のメンバーがあなたを知るようになったとき、彼らを追い払うのではなく、彼らの話に隣人たちが驚き、この制限の多い国で、さらに多くの人々があなたの自由を知るように祈ります。アーメン。

■ ラオスの宗教人口
仏教 57・3%
プロテスタント 3・7%
カトリック 0・7%
イスラム 0・1%
土着宗教 34・7%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。