2023年7月21日12時42分

トラブルとトラベル 菅野直基

コラムニスト : 菅野直基

予期せぬトラブルは、生きている限り起こります。

トラブルとは、いざこざ、もめ事、面倒、問題、紛争、障害などをいいますが、トラブルがない場所を探してもなかなか見つかりません。トラブルの全くない人がいるとしたら、死んでお墓に入った人くらいです。

トラブルに似た言葉に、旅行を意味するトラベルという言葉があります。トラベルの語源は、ノルマン語でトラバイルで、骨折り、苦労などの意味があります。

努力のかいもなく効果が上がらず、疲れだけが残ることを「骨折り損のくたびれもうけ」といいます。旅行の語源がそういう意味だというのは面白いです。

聖書は「すべてのことが、神から発し、神によって成り、神に至るからです。どうか、この神に、栄光がとこしえにありますように。アーメン」(ローマ11:36)と語ります。

人は、神から発しているのです。神によって創造され、神の元からこの地上に来て、旅行、トラベルをしているようなものです。

トラベルの終着点は、元いた神のところです。人生は「骨折り損のくたびれもうけ」であり、いざこざ、もめ事、面倒、問題、紛争、障害などのトラブルに満ちています。

しかし、人は「骨折り損のくたびれもうけ」のトラベルを、高いお金を出してわざわざするのです。出かけない方がお金はかからないし、安全だし、無駄がありません。危険な目に遭う可能性があるのに、あえてトラベルに出かけるのはなぜでしょうか。

それは、水を入れ替えるように、日常の退屈を打破し、気分転換してリフレッシュしたり、楽しむためです。私たちの人生がトラベルだとしたら、せっかく旅行に来たのですから、それを楽しみ、できるだけ多くの体験をさせてもらったらよいのではないでしょうか。

冒険家でもない限り、未開の地に、何の情報も得ないで出かける人がいるでしょうか。ツアーに参加したり、ガイドの導きを受けるのではないでしょうか。

人生の旅の情報を得る手段は、聖書を読むことです。ツアーは教会、ガイドは神様です。神にガイドをお願いし、神の導きを受け、神に同伴していただきながら、この地上を歩んでいきましょう。

一瞬先は闇か、光か分かりません。しかし神は、全知全能であり、全てを知っておられます。そして全てを知った上で、最善の導きをしてくださいます。

神にガイドしていただかない理由がどこにあるのでしょうか。神は、宗教の教祖やご本尊のレベルではありません。神は、あなたを造られた、最も身近な方であり、どんな時でもあなたを愛し、あなたの味方です。

そして「私は世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」(マタイ28:20)と言ってくださいます。

人生とは、険しいいばらの道を地図や情報もなく歩いているようなものです。神を信じるとは、弱い人だけがすることではなく、誰もがしなくてはいけないことなのではないでしょうか。

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菅野直基

菅野直基

(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッションなどの地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での賛美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式など、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

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