イエス・キリストの受難を写実的に描き、大ヒットを記録した映画「パッション」の続編「レザレクション」(仮題、原題:The Passion of the Christ: Resurrection)の撮影が今春にも始まる。イエスが十字架で磔刑(たっけい)に処せられてから復活するまでの3日間を中心に描く作品になるという。
映画情報サイト「ワールド・オブ・リール」(英語)が4日に伝えたところによると、「パッション」で監督、脚本、プロデューサーなどを務めたメル・ギブソンが、待望の続編の製作を数カ月以内に開始する予定だという。同サイトは、次のように伝えている。
「ギブソンは、映画『ブレイブハート』の脚本家として知られるランダル・ウォレスと共に(『レザレクション』の)脚本作りに励んでおり、既に6つの草稿が書き上げられている」
イエスの生々しい磔刑に焦点を当てた「パッション」とは異なり、「レザレクション」はイエスの死から復活までの3日間を描く。
「『レザレクション』は、イエスの受難を取り巻く24時間と、十字架につけられてから復活するまでの3日間に起こった出来事に焦点を当てたものになるだろう」
キャストは、「パッション」でイエスを演じたジム・カヴィーゼル、マリアを演じたマヤ・モルゲンステルン、ヨハネを演じたフリスト・ジフコフ、ペトロを演じたフランチェスコ・デ・ビートが、それぞれ同じ役で再演することが決定している。
ギブソンは2016年、米大衆伝道者のグレッグ・ローリー牧師が主催する伝道集会「ハーベストクルセード」に登場し、続編について関係者と話していることを明かしている(関連記事:映画「パッション」続編のテーマは復活 メル・ギブソン監督「これは大事業となる」)。
また、同年放送された米トーク番組「レイトショー」(英語)では、次のように語っている。
「これ(イエスの受難と復活)は大きなテーマです。一つの出来事以上のものです。驚くべき出来事です。そして、それを周囲で起きたことで下支えすることこそが、それが何を意味するのかを明らかにする本当のストーリーなのです」
「そしてこれは、単なる出来事ではないのです。起こった出来事を、単に時系列的に語るようなものにはしません。そうであれば、つまらないでしょうし、『ああ、それはもう(聖書で)読んだ』と思うでしょう」
その後2020年には、主演のカヴィーゼルが、米ニュースサイト「ブライトバート」とのインタビューで、「レザレクション」の新しい草稿を受け取ったと明かし、大ヒット作の続編に対する期待を語っている(関連記事:ジム・カヴィーゼル、「パッション」続編は「史上最大の作品」)。
2004年に公開された「パッション」は、スポンサーからの支援を十分に得られなかったものの、3千万ドル(約39億円)の製作費に対し、6億1200万ドル(約790億円)という驚異的な興行収入を記録した。一方、翌年の第77回アカデミー賞では、3部門でノミネートされたが、受賞は逃している。
米映画情報データーベース「IMDb」(英語)によると、「レザレクション」は「チャプター1」が2025年に公開される予定。