2022年11月25日09時14分

世界宣教祈祷課題(11月25日):パキスタン

執筆者 : 奥山実

パキスタン、独立から70年 英議員らが冒とく法の廃止要求
パキスタン最大の都市カラチ市内の様子=2008年(写真:Rahib ALi)

ザファル・バッティ牧師(57)は、悪名高きパキスタンの冒とく法による冤罪(えんざい)犠牲者の一人だ。彼は2012年7月、冒とく的なメールを送信した罪で起訴された。17年5月に終身刑を言い渡されたが、21年12月には死刑判決に変更された。

逮捕される前、彼は薬の訪問販売員をしており、訪問した家庭で聖書を読み、祈る機会を持っていた。彼は、貧しい人々を支援する小さなNGOを設立し、運営もしていた。最初の事件報告書では「無名の人物」に対して提出されていたが、警察はザファルを逮捕した。自白を引き出すために警察は拷問を加えたが、ザファルは一貫して無罪を主張している。

メッセージを送信したとされる問題の携帯電話は、別の人物で登録されていることが複数の報道で証明されており、その人物は12年11月に逮捕起訴された。しかし13年4月、裁判所はその人物を釈放してしまったのだ。一方、ザファルの収監は今も続いている。

ザファルは刑務所で改宗の圧力を受け、ある時には毒を盛られ、数日間危篤状態だったこともある。逮捕されて以来、彼の家族は非常な生活苦を強いられている。冒とく罪のケースでは、裁判所がイスラム過激派の報復を恐れるあまりに審理を延長することが常態化している。そのため、ザファルの勾留も長期化しているのだ。

ザファル牧師の速やかな釈放と彼の家族の守り、悪名高い冒とく法の終焉とパキスタンのリバイバルのために祈っていただきたい。

■ パキスタンの宗教人口
イスラム 95・8%
プロテスタント 1・8%
カトリック 0・8%
ヒンズー 1・8%