2009年2月9日16時00分

サウジのキリスト者、ブログを理由に逮捕

メッカ、マディーナなどのイスラム教の聖地を持つサウジアラビアはイスラム世界において影響力が強い。写真はマディーナにある「預言者のモスク」。

 【CJC=東京】サウジ国籍のハムード・ビン・サレー氏(28)はインターネット上に、イエス・キリストに従うという決意を書き込んでいたところ、1月13日にサウジ当局に逮捕されていたことが明らかになった。人権擁護団体『人権情報のためのアラブ・ネットワーク』(ANHRI)によると、「彼の主張と、イスラム教からキリスト教へ転向したと証した」のが理由という。



 同氏は2004年に9カ月、08年に1カ月拘束されており、今回が3回目。背教を理由に死刑に処せられる可能性もある。



 「ハムード氏を沈黙させようとするサウジ当局の努力は驚くには当たらない。これはいわゆる“穏健派アラブ国家”がキリスト者の基本的権利や自由をもっともひどく抑圧している国の一つであることを示している」とインターネット・サイト『アラブ・ビジョン』の国際部長は指摘する。「しかしグーグルがハムード氏のブログ・ページを阻止するためサウジ当局に協力したとなるとこれは裏切り行為だ。ブログをやる人へのサービス提供条件違反というのが、理由とされている。グーグルはイスラム教からキリスト教への改宗を違反と見なすのか。アラブ世界で活動しているメディアとして、私たちは、サウジアラビアでグーグルが行っている検閲と人権侵害に対する協力・支援に抗議する」と言う。