2022年7月6日15時07分

GPSを信頼せよ 安食弘幸

コラムニスト : 安食弘幸

GPSを信頼せよ 安食弘幸

「この方こそまさしく神。世々限りなくわれらの神。神は死を越えて私たちを導かれる」(詩篇48:14)

「旅」と「旅行」の違いは何か。

「恋人を見つけにいくのが旅。恋人と2人で行くのが旅行」「近所の人に知らせないで出かけ、帰ってきてもお土産を渡さないのが旅。近所の人に留守を頼み、帰ってきたらお土産を渡すのが旅行」「必ず帰ってくるのが旅行、ひょっとしたらもう帰ってこないかもしれないのが旅」(確かに「冥土への旅」とは言うが「冥土の旅行」とは言わない)

昔から多くの旅人、歌人、作家たちが、しばしば人生を「旅」に例えてきました。人生が旅なら、この旅のゴールはどこなのか。そして、今自分はどこにいるのか。

自動車を運転する人にとって、カーナビは欠くことのできないアイテムです。目的地を設定すると、目的地への道順や到着予定時刻、自分の現在位置を正確に教えてくれるので、安心して運転できます。カーナビはGPS(Global Positioning System)からの情報を受け取って、私たちに教えてくれるのです。

実は、私たちの人生を導いてくれるGPSがあるのです。そのGPSとは ”God’s Positioning System” です。私たちを造られた創造主なる神、私たちの「たましいの親」である神は、私たちの人生を導いておられるのです。その情報をどこから得るのかといえば聖書です。教会では毎週日曜日に礼拝が持たれ、その中で聖書のメッセージが語られます。そのメッセージをもとに、自分の今の在り方を再検討し、軌道修正していくのです。

米国の競泳選手ジャネット・エバンスさんは、オリンピックに3度出場し、合計4個の金メダルと1個の銀メダルを獲得しています。彼女は子どもの時から教会に通う熱心なクリスチャンです。

彼女は今、スポーツへの情熱とイエス・キリストへの愛をもって世界中で講演活動をしています。彼女は自分の信仰生活について次のように語っています。

「私が一流のスイマーとしてさまざまなプレッシャーの中で戦っているとき、教会の礼拝に毎週通うことは実に大きな助けになりました。毎週の聖書の言葉が力を与えてくれました。毎週家族で礼拝に集うことで翌朝月曜日朝4時15分から始まる練習のエネルギーをもらいました。私の水泳選手としての成功の背景には、教会での礼拝が大きく関わっています」

ジャネットさんが選手として最もつらかったのは、1992年のバルセロナオリンピックで400メートル自由形で金メダル確実と思われていたのに、ドイツの選手に100分の19秒差で破れ、銀メダルに終わったときだと言います。

「自分では銀メダルでも十分満足していたのに、マスコミの人がやってきては『敗けた気分はどうですか』『敗者になった感想を聞かせてください』と聞くので、段々気分が落ち込みました。しかしその時も、礼拝で聞いた聖書のメッセージを思い出して立ち直れました。『あなたが金メダルでも銀メダルでも、いやたとえメダルが取れなくても、あなたの人間としての価値が変わるわけではありません。どんな時にも、あなたは神の目に高価で尊い存在なのです』」

ジャネットさんは競泳選手時代も、そして引退した今も、GPSに導かれて人生を歩んでいるのです。あなたもこのGPS(God’s Positioning System)に導かれて人生を歩んでみませんか。

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安食弘幸

安食弘幸

(あんじき・ひろゆき)

峰町キリスト教会牧師。1951年、島根県出雲市に生まれる。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球、関西六大学リーグのスラッガーとして活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒(哲学博士)。JTJ宣教神学校講師、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設などで講演活動を行っている。著書に『キリストを宣べ伝える―コリント人への手紙第二』『心の井戸を深く掘れ』『道徳力―モーセの十戒に学ぶ―』『ルツの選択、エステルの決断』など多数。

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