2021年12月10日14時59分

神が下さるプラス思考 菅野直基

コラムニスト : 菅野直基

人は誰でも、苦しいことをできるだけ避けて、楽しく過ごしたいものではないでしょうか。しかし、現実にはそうはいきません。

水戸黄門の主題歌に「人生楽ありゃ苦もあるさ」で始まる歌がありますが、人生には、楽もあるけれど苦もあります。「禍福は糾(あざな)える縄の如(ごと)し」ということわざは、人生が、禍と幸せが縄のようにより合わされてできていることを教えてくれます。

しかし、現実をどう受け止め、どう見るかで大きく変わってくるものです。

砂漠を旅しているときに、水筒の水が半分になりました。「もう半分しかない。どうしよう!」と考えることもできますが、「まだ半分残っている。大丈夫だ!」と考えることもできます。「まだ半分残っている」と考えると、生きる勇気と気力が湧いてきます。

ユダヤのことわざに、「右腕を切られたら、左腕が残っているからいいと思え。左腕も切られたら、足が残っているからいいと思え。両足も切られたら、首を切られないでよかったと思え」というすさまじい言葉があります。これらは、単なるプラス思考ではなく、現実を直視した上でのプラス思考です。

小学生になる子どもに、お母さんがこう教えました。「学校に行くようになったら、チャイムが鳴ったら授業が始まり、チャイムが鳴ったら授業が終わるんだよ。遅れちゃダメだよ」。子どもは、「お母さん違うよ。チャイムが鳴ったら遊べるんだよ。次のチャイムが鳴ったら遊びの時間が終わるんだよ」と言いました。

柔軟に発想を変えることで、まったく違って見えてくるものです。

聖書には、「神を愛する人々、すなわち、神のご計画に従って召された人々のためには、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを、私たちは知っています」(ローマ8:28)と書かれています。神がマイナスもプラスもともに働かせて、最終的に、益(プラス)にしてくださるというのです。

皆さんは、きっとプラス思考を持った人だと思います。しかし、現実はそう甘くはありません。単なるプラス思考や楽観主義だけでは乗り切れない時が来ます。現実を直視した上での神からのプラス思考が、この世の中を楽しく、強く、充実して生きていく鍵です。無理やりプラス思考を持ち、無理して楽観的になることではなく、素直に神に祈り、神と交わる中で、つらく悲しい心が、喜びや感謝に、次第に変えられていくのです。

事あるごとに神に祈り、神がすべてのことを働かせて益としてくださることを信じて歩んでまいりましょう。

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菅野直基

菅野直基

(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッションなどの地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での賛美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式など、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

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