中華圏最大のキリスト教テレビ局「GOOD TV」の日本支局となる「GOOD TV JAPAN」の設立式が3日、東京・大久保のウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会で行われた。設立式には在日中華系教会の関係者のほか、設立に携わった日本の教会関係者らが参加。運営法人となる一般社団法人キングダムメディアの紀衛東(き・えいとう)代表理事は、日本に住む多くの中華系の人々のためにさまざまな番組を提供するとともに、日本の諸教会にとっても祝福となるよう、教団・教派の枠を超えた超教派の宣教の業として働きを進めていきたいと語った。
GOOD TV は1998年、中華圏では初となるキリスト教非営利テレビ局として台湾で設立された。家族での視聴に適した番組製作を心掛けており、料理や旅行などの生活全般や家庭教育、芸能文化、子ども・青少年、音楽、信仰生活など、さまざまな内容の番組を24時間放送している。台湾ではすべてのケーブルテレビで放送されており、フィリピンやマレーシア、香港などでも一部のケーブルテレビで放送されているほか、米国とインドネシアには支局もある。また、現在はインターネットを介して世界中に発信している。
設立式には、GOOD TV JAPAN の顧問となる伊藤嘉子(白い家フェローシップチャーチ主任牧師)、有賀喜一(アジアンアクセスジャパン大使、リバイバルミッション顧問)、峯野龍弘(淀橋教会主管牧師)、増山浩史(21世紀キリスト教会主任牧師)、石井豊(日本華僑基督教団監督)、陳灯術(甲府ニューライフ・インターナショナル・チャーチ牧師)のほか、大川従道(大和カルバリーチャペル主任牧師)、尾山令仁(聖書キリスト教会会長牧師)の各氏ら、日本を代表する牧師らが参加。祝福と励ましの言葉を贈るとともに、クリスチャン人口が1パーセントといわれる日本で、GOOD TV JAPAN が宣教のために用いられるよう祈りをささげた。
映像を通してあいさつした GOOD TV のトニー・ツェン最高経営責任者(CEO)は、「これは神様の御国の前進であるだけでなく、台湾と日本の宣教における協力です」とコメント。「私たちのビジョンは、主のために道を用意することです。私たちが目指しているのは、人の命を変えるチャンネルです。人の命を変え、人の命がより豊かになるチャンネルになりたいと願っています」と語った。
ロイター通信社で20年勤務した経験のある紀氏は2年前、朝のディボーションの中で、北海道から沖縄まで日本のすべての家庭が主を礼拝するビジョンを見たという。そして、メディア宣教に対する召しを見いだし、2年の準備期間を経て GOOD TV JAPAN の設立にこぎ着けた。
25年前に日本で洗礼を受け、日本で結婚し、日本で子どもも生まれたという紀氏は、自身の家庭も GOOD TV と共に歩んできたとし感謝を表明。「私たちのビジョンは、テレビをつければ、福音がそのまま届くこと」。日本で必要なのは「主のメディア」だと言い、「主のメディアを主流メディアとするべく、福音をすべての人に伝えたい」と力を込めた。
約10年前に台湾の GOOD TV を訪問した顧問代表の伊藤氏は、民間テレビ局と肩を並べるほどの視聴率や、200人近いスタッフが喜んで奉仕している姿、すべての経費がクリスチャンの企業や教会、個人の献金で支えられていることを見聞きし、非常に感動したという。GOOD TV JAPAN の設立は、その時ささげた祈りへの答えだとし、心からの感謝を語った。
また、「日本だけではリバイバルすることはできないと思っています。兄弟たちが共に集まり、共に主を賛美し、和解し、一致し、神の文化によって一つになっていくことこそ、本当のリバイバルだと思っています」と述べ、台湾から始まった GOOD TV の働きが日本でも広く受け入れられることに期待を示した。
法務省の発表によると、日本に住む外国人は昨年6月末時点で、中国出身者が78万人、台湾出身者が6万人と、中華系全体では84万人を超える。これは、288万人いる在留外国人のうち約3割を占め、最も多い。GOOD TV JAPAN は今後、主に在日中華系向けに独自の番組を製作していくが、将来的にはクリスチャンではない一般の日本人も対象にした番組も製作していく計画だ。
■ GOOD TV JAPAN のホームページ(中国語、日本語)