コロナ禍で生活に困っている低所得の単身者やひとり親家庭に食料品を無償配布する支援プロジェクトに取り組む東京都国分寺市の教会「ジーザス・コミュニティ」が、12月末までクラウドファンディングで資金を募っている。1年前から地元を中心に支援活動を続けていたが、他県からの問い合わせが増え、対象地域を全国に広げるため、今回初めてクラウドファンディングで協力を呼び掛けることにした。
ジーザス・コミュニティの牧仕(牧師)である桜井知主夫(ちずお)さんは、「実際に支援を受けられた方々のお話を聞くと、本当に大変な状況にがくぜんとしました。私たちの活動は根本的な解決にはなりませんが、それでもたくさんの感謝のお言葉を頂いており、これは神がなさっていることだと実感しています」と語る。
支援プロジェクトの開始から1年間で300万円以上の支援金が集まり、すでに120世帯以上に1万2500円相当の食料品を届けた。問い合わせの対応や梱包作業などはすべて教会関係者がボランティアで行っているため、支援金はすべて食料品の購入と送料、梱包費に充てている。食料品はすべてネットスーパーで仕入れ、賞味期限も比較的長期のものをそろえるなど、細部にまで気を遣っている。「受け取られる方が少しでも慰められ、励まされ、頑張ってみようという思いが与えられることを願って活動しています」と桜井さんは話す。
ジーザス・コミュニティはこれまでにも、2004年のインドネシア・スマトラ島沖地震や、米南部を襲った05年のハリケーン・カトリーナの被災地支援をはじめ、さまざまなボランティア活動に取り組んできた。東日本大震災では、地震発生直後から5年間にわたって宮城県石巻市で支援活動を続け、集まった3千万円相当の支援物資などをすべて被災者に届けた。また、19年の台風15号から19号の被災地にもいち早く足を運び、行政よりも早くひとり暮らし世帯や床上浸水した住宅に支援物資を届けた。
「聖書を見ると、神が弱い立場の人に非常に関心を払っておられることが分かります」と桜井さん。今回の支援プロジェクトにも、不思議な神の導きを感じているという。「コロナ禍で、普通であれば教会の献金も少なくなると思いますが、神の導きを確信して今回の食料支援を始めたところ、食料支援のための献金が予想以上に多く集まったことにも驚きましたが、同時に教会の献金も不思議に満たされています。神が私たちのよい行いに報いてくださっているのだと感じています」
来年には全国の教会を対象に、それぞれの教会が無償食料支援の働きにチャレンジすることを応援するプロジェクトを始めたいという。具体的には、食料支援をしたくても財政的に厳しかったり、意思決定にかなりの時間を要したりする教会に対し、初回に限って一世帯分の食料品を提供することで、信仰の一歩を後押ししたいと考えている。「少しでもその教会のミニストリーのお役に立てればと願っています。私たちの活動をきっかけに、さらによい働きがそれぞれの教会でなされていくように願っています」
実際に支援を受けた人々の声やプロジェクトの詳細などは、クラウドファンディングのページ(https://camp-fire.jp/projects/view/437881)を。
■ 無償食料支援へのサポート案内
https://www.calvarykb.org/index.php/shien