2021年9月21日16時06分

新・景教のたどった道(59)景教を日本に紹介した人々(3)ゴルドンの景教碑 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

前回は日本に景教を紹介した人として、ゴルドン女史(Elizabeth Anna Gordon、耶利沙伯・安那・戈登、1851〜1925)を取り上げました。今回は、ゴルドンの寄贈した高野山景教碑の拓本から見えたことについて書いてみました。

新・景教のたどった道(59)景教を日本に紹介した人々(3)ゴルドンの景教碑 川口一彦
左から高野山景教碑・ゴルドン墓碑(右奥の五輪塔)、景教碑の裏面、その拡大部(著者撮影)

現地で寸法を実測しました。

新・景教のたどった道(59)景教を日本に紹介した人々(3)ゴルドンの景教碑 川口一彦

著者は2001年5月12日に高野山に出向いて管理人様の許可を得て拓本しました。分かったことの一つとして、文字に点画が2カ所(赤枠の字)欠けていました。載と汾です。手彫りですから、彫り師が忘れたのでしょう。

新・景教のたどった道(59)景教を日本に紹介した人々(3)ゴルドンの景教碑 川口一彦

次に題額の上に描かれている十字の上の火炎が、十字架上のイエスの釘跡のように見えることです。これは、中国西安にある景教碑の原碑にはないオリジナルの描画です。ゴルドンの意図があったのかは不明です。

これらは拓本採取して分かったことで、碑文画を写し取ることの大切な意義があります。

新・景教のたどった道(59)景教を日本に紹介した人々(3)ゴルドンの景教碑 川口一彦

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※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
旧版『景教のたどった道―東周りのキリスト教』

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

【川口一彦・連絡先】
電話:090・3955・7955 メール:[email protected]

フェイスブック「川口一彦」で聖句絵を投稿中。また、フェイスブック「景教の研究・川口」でも情報を発信している。

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